2014.03.23:日曜日
民野宏之 装画展

 

 

 

 

2014年の民野宏之さんの個展は、装幀画の展覧会でした。民野さんとは長いお付き合いですが今回初めて目にする書籍や作品も多く、月日を経る毎に、素晴らしい作家との仕事がどんどん増えている事に驚かされました。

サルトルやトルーマン・カポーティ、カズオ・イシグロ、ピュリッツァー賞受賞の作家等の書籍を纏う言わば衣服の様な役目にも思われる、民野さんが描いた表紙の絵を見ながら、編集者の方、アートディレクターの方々はきちんと見ていて下さるのだな、と少し安心もしました。

というのも、人類の財産の様な古典文学の表紙ですのに、中の質量に見合わない装幀を何度か目にする事があり、しばらく失望感が消えずにいたため、余計に嬉しかったのかも知れません。

また逆に、民野さんの作品が表紙の絵として本が飾られるため、その本が内容以上の作品に思われ、文筆家がとてもラッキーな事もあるように思います。

乾いた感覚のマットな独特な筆致、静かな清潔な変わらない色面、テクスチュアの広がり、世界観・・・。民野さんの作品は、情報で溢れる慌ただしい現代社会を生きる人々の気持を、清涼な気分に塗り替える力がある様です。

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/tamino_14.html

 

 

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