Monthly Archives: 9月 2016
2016.09.29:木曜日

 

 

 

 

展覧会では毎日多くのファンの方々にお出かけ頂き、水沢そらさんの人気と大きな上昇エネルギーを感じることができました。

今という時代の感性を描写された作品の気配に、ギャラリーを訪れる人々が大きく共感を覚えておられる様子がとても印象的でした。

そして、この様に若者たちに受け入れられる作品が示している力を、しっかり受け止めなくてはと感じさせられました。

以下に水沢そらさんの興味深い文章をご紹介させて頂きます。

 

 

 

「VOID」ってなんですか。どういう意味ですか。

今回の展示のタイトルについて、いろんな方に尋ねられました。

この英単語には「何もない、虚空、からっぽ」という意味と同時に「無限、深淵」という意味があります。

僕の描くひとたちは、どこか遠くを見ているな。と描きながらいつも思います。

決して目を合わせてくれないひとたち。生きているのかも死んでいるのかもわからないひとたち。

でも、もしかすると僕の描くあのひとたちが見つめている僕たちの世界こそからっぽで、なんにもない世界なのかもしれないな。

そう期間中にふと思いました。

 

もうひとつ。VOIDが持つもうひとつの意味である「深淵」という言葉。

悪魔学においては「進化の終着点」を指す言葉でもあるそうですよ。

                                                          

                                                              (水沢そら)

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/mizusawa_16.html

 

 

2016.09.14:水曜日

 

 

スズキコージ ゼレファンタンケル ダンサーズ展・2016 

 

 

 

 銀座のビルの谷間にひっそりと佇むギャラリーでスズキコージさんの「ゼレファンタンケルダンサー」に出会いました。34年も前の事です!その後、何度もスズキコージさんの個展を開催させて頂く機会に恵まれましたが、その時以来ずっとコージさんの原点とも言える「ゼレファンタンケルダンサー」を忘れる事ができませんでした。そしてこの個展に出向かれた別役実さんもスズキコージさんの作品を気に入って下さり、作品集も出版されました。絵と文とのこれ程素敵なコラボレーションを知りません。この度、この幻の様な「ゼレファンタンケルダンサー」を皆様の視覚に留めておいて欲しくて、版画作品として制作発表させて頂く事となりました。コージ氏の新生ゼレファンタンケルダンサーズたちも登場、会場は音楽に溢れます!

 

以下に別役実さんの名文をご紹介させて頂きます。

 

ゼレファンタンケルダンスなんて簡単なもんさ。それでいてちょいと粋でもあるしね。用意するものといやあハンカチが三枚。ピンクやブルーでもいいけどやっぱり白のほうがいいなあ。何てったって爽快って感じがするからね。そいつをひらりって空のほうにほんなげて落ちてくる前に乗っちゃうのさ。乗っちゃったら落ちちゃうだろうって?馬鹿だなあ落ちそうになったらまたひらりって空にほんなげてまた乗るのさ。優雅なもんだよ。お前さんも一度試してみたらどうだい。ここいらじゃあゼレファンタンケルダンス以外のダンスなんて誰もやっちゃいないよ。何だいお前さんとこじゃあ地ビタに足つけて踊るのかい。(文・別役実 絵・スズキコージ)

 

 

 

 

皆さん、アジャッパーでコンニチハ!ゼレファンタンケルダンサーズは、久しぶりのスペースユイの舞台をタンノウして、楽しく踊る事ができました。ありがとうです!ここに喜びのメッセージを記します。次の会場・ユイガーデンもよろしくどーぞ,‘ ごきげんよう!  (2016 神戸・スズキコージ拝)

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/suzukiko-ji_16.html

 

 

 

 

 

北見隆「本の国のアリス」

 

 

 

 

北見隆さんとも、スズキコージさんと同じくらい長いおつき合いになります。今回のテーマは「本の中のアリス」、新たな魅力的なアリスが大勢登場致しました。北見さんのたゆみない歩みの中から生まれる、様々な表情を持つ画面マチエールから構成された美しい様式を持った作品は、北見さんだけの作風を持ちます。また、ある時代、ある国々の様式を取り入れた研究者の様な姿勢すら感じられる知的な作業を礎にした作風である事を改めて感じさせられました。夜、研究室件アトリエで、白い石膏状の平面に古代文字の様なアルファベットを刻み込んだり、金属を熱で溶かして細工をしたり、と熱心に制作に励んでいる北見さんを想像致しますと、自然と笑みがこぼれてしまいます。

そんな北見さんは、芸術家、学者、または現代の錬金術師の様でもあって十九世紀に誕生したアリスを、不思議なマジックパウダーを振りかけ、たった今のアリスとして見せてくれたのでした。

ルイス・キャロルとテニエルの造形による「アリス」は、現在に於いて大人、そして子供にとってもひとつの完成された永遠の存在であり、不可侵な感覚すら覚えます。それくらい、「アリス」への挑戦はある意味勇気が要ると思います。

原型アリスより少し大人の清楚な意志を感じさせるアリスは、北見作品の中でも傑作といえるでしょう。

クラシックな様式美を備えながら、私たちに取って受け入れやすいポピュラリティーを携えた魅力的なアリス像を今回の展覧会で、心憎いばかりに堪能させて頂きました。

また、北見さん自らが撮影、監修の作品集「本の国のアリス」も素晴らしい出来映えの本です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/kitami-takashi_16.html

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