永松あき子さんの、油絵とテンペラとの混合技法による絵画展を開催致しました。
「わたしが生まれる」、というタイトル。
海の底の情景の描写が多く、深く美しい蒼の色調が基本とされる画面からは、強い生理的とも言えるエネルギーが感じられます。
水の景色と共に、空の青も森の碧も全部繋がっていて、生命の起源や生成を幻想的に技巧的に表しているかの様 . . . .
神話の中の光と闇からなる内なる女神、魔女等は、永遠の命を生き、森羅のはざまを絶え間なく循環する。
ルネッサンスの時代なら、そのパワーを以てひとつの工房のマエストラ(イタリア語で巨匠の女性名詞)になっていたのではと想像する永松あき子さんの腕前です。
以下に永松あき子さんの文章をご紹介させて頂きます。
6月6日から開催された「わたしが生まれる」展に、多くの方々にお立ち寄りいただき、たいへんありがとうございました。
軽やかで明るく楽しい作品を専門に扱われるSPACE YUIさんで、私のような、闇をふくむ、重厚な色彩を目指す技法で描いた油彩画を展示する、というご決断をくださいました木村さまの、オープンで柔軟で勇気あるお心意気に、深く感謝しております。
私自身も、外光あふれる開放的な空間での展示は初めてのことで、新鮮な驚きに満ち、たいへん勉強になりました。
同じ作品でも、展示される空間が違うと別の様相を見せる、というのは考えれば当たり前のことですが、自分の作品でつくづく実感いたしました。
YUI さんの、とても明るい空間に置かれると、今まで発表していた窓のないどちらかというと照明も抑え気味な空間に置かれるより、かえって重々しい印象になりましたが、油絵の具の、透明で深い美しさは一層輝いていたように私には感じられ、嬉しくもありました。
20日から展示させていただくYUIGARDENは、明るいことは同じですが、また違った質の空間で、我が作品がどのような様相を見せるのか、たいへん楽しみでわくわくしております。
お時間がございましたら、ぜひご高覧いただきますよう、また率直なご感想などお聞かせくださいましたら幸いに存じます。
6月第3週、梅雨の間の晴れ間の日に。
永松あき子
はんまけいこさんの個展の季節、いつも画廊に健やかな空気が運ばれて参ります。
沖縄小浜島にずっと住まわれ、画家のご主人と共にカフェを営まれるはんまさんの作品は、野生の自然の中で育まれた素朴さと、ヨーロッパ的洗練との絶妙なミックス感覚がとても魅力的。
ご本人の個性そのままの陽気な軽やかな感性が、コミカルな作風を通して都会の生活に疲れた人々の頭と心を爽やかに緩ませるかのようです。
さっぱりとした気性で、多くの方から支持され人気者のはんまさんは、作品と共にその存在自体が人々を元気づけ励まします。
夜は満天の星だけが道案内、と伺い驚きましたが、太陽や月や海や大地のエネルギーが滲みわたり、はんまさんご自身から都会の私たちに、そのエネルギーが還元されるのを感じます。
以下に、はんまさんの文章をご紹介させて頂きます。
お~い! フータローー!
毎朝声をかけるのは 小浜島で飼っているオスの白ヤギ フータロウ。
沖縄本島よりさらに南に400キロの離島に移住して30余年
強い太陽に照らされた 原色の色彩と 原生植物が描く大らかな線は
私の美意識のバランスとなり その自然に寄り添って創作を続けております。
私はフータロウから野生の元氣をもらって 元氣いっぱいな楽しい絵を描き続け
誰かを元氣にできたら とてもうれしいです。
はんまけいこ
河井いづみ mirror
宇宙に浮かぶ惑星の様に、画面に大胆に構成された精緻なガラス瓶や宝石などの河井いづみさんの作品は、独特なテクスチュアの印象も以って心に残ります。
元来硬質な、技巧を施された鉱物質な素材の輝きは、作家の磁場の中で柔らかな素朴ともとれる風合いの光に変換され、新たな印象となり届けられます。
河井さんの美意識に貫かれた潔いプレゼンテーションと、原初的な肌触りとの振幅の大きさが、既視感のない感動を呼び覚ますのかも知れません。
また、河井さんの好んで使われる建築やテキスタイルなどに用いられる幾何学模様のモチーフは、古来より私たちの記憶の中にも隠されて在り、作品を観る人々の潜在的な意識を刺激するかの様に感じます。
以下は河井さんに書いていただいたコメント(詩!?)です。
晴れたの日の輝く風が好きです。
土と木々の澄んだ匂いが好きです。
それぞれが違うけれど語り合える、人間が好きです。
いつでも太陽に向かって、体を伸ばして歩いていきたい。
今回の展示で、そんな想いを再確認できました。
(河井いづみ)
http://old.spaceyui.com/schedule/kawai_16.html
BOX OPERA [MINIATURE]
今回で10度目を迎えた企画展「BOX OPERA MINIATURE」が大好評で開催を終了致しました。
今回は急な企画だったにも関わらず、参加頂いた方々にはそれぞれに素晴らしい作品を出品して頂く事ができました。
通年、この展覧会では、作家ご自身にBOXを準備して頂き、既に作家各々がお持ちの小さなオブジェや布地や紙のモチーフ等をコラージュしたりペインティングをして作り上げた作品展としてスタートしました。
北見隆さん、建石修志さん、東逸子さんの三人展が多く、時々宇野亜喜良さんや山本じんさん等に参加をお願いしながら、ずっと続けて参りました。
こうした参加者の顔ぶれからも想像できます様に、BOX OPERAの会期中は、画廊空間がワープし、会場全体が祭壇になったかの様な気配や荘厳とも言える雰囲気が、とても不思議かつ楽しい感覚をもらたして下さいました。
そして今回は10年目という事もあり、通年の感覚を中心としながらも、少し毛色の異なる作家も交えた小さなBOX OPERAのショーを計画致しました。
大勢の方々に出品して頂いた作品はそれぞれに完成度が高く、会期が終わってしまうのが惜しまれる思いでした。
谷口シロウ
http://old.spaceyui.com/schedule/box-opera-miniature_16-vol-1.html
http://old.spaceyui.com/schedule/box-opera-miniature-vol-2-16.html
http://old.spaceyui.com/schedule/box-opera-miniature-vol-3_16.html
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