毎年春の始まりの季節になると、民野宏之さんの個展が近づいたなと感じます。
民野さんはもうデビューしてから25年目を迎えましたが、25年間で2回を除き、毎年つまり23回開催して頂いております。
こうなると、もう親戚の人!という感覚です。ほぼ独学でここまで来られた民野さんの最初の個展の事を思い出しますと、感慨無量です。
民野さんの作品に囲まれると毎年感じる事ですが、 静かな澄み渡った空気が札幌の民野さんのアトリエからから運ばれて、 清涼な風の中にいるようです。
また、初めて伺い、驚いたのですが、民野さんはモーグルの選手で全国で10位だったそうです。民野さんがスノーボードハーフパイプや自転車競技では北海道ではトップの選手だったという事は知っていましたが、モーグルの事は知らなかったのでびっくりしました。コブコブの雪原を滑走する民野さんの姿が目に浮かびます!
民野さんの作品画面の気持の良い美しさと共に隠し味の様に感じる研ぎ澄まされた緊張感は、彼のそのような背景から来るものかも知れません。
民野さんから文章を頂きました。
少し訂正もあります。申し上げる迄もない事ですが、私はジャーナリストにはなれそうもありません!
↓
「SPACE YUI」
今では「青山の実家」の様な存在で、毎年、春になると里帰りしています。
1992年から辛抱強く見守り続けて下さる木村さんに、「いつかご恩返しを・・・」と、思い続け、何も出来ないまま25年が経ってしまいました。
そんな僕ですが、昨年の夏頃、大きな変化がありました。
~もともと、音楽であれば音数が少なくて一音一音が心にしみるような曲。
映画だったら説明がほとんど無くてぼんやりとした輪郭と空気感だけが印象に残るような作品が好きなのに、
それに反して自分が描く絵は、ついつい細かいところにまでこだわり過ぎ、
それによって大切な何かが欠けていたのだということにやっと気付きました。
対象物の本質をより理解し、全体像を感じ取ることが大切なことなのだと。
それからは筆の運びが少しおおらかで自由になって来たように感じています。
それから・・・せっかく書いていただいたのに申し訳ございません・・・
モーグルは10位じゃなくて15位なんです。(^^ゞ
スケートボードのフリースタイルは北海道チャンピオンで、全国5位になったこともありますが、どちらも40年ほど前のことです。スノーボード・ハーフパイプに関しては趣味程度でトップクラスとは程遠いです。ですから・・・なんだか恥ずかしいです・・・
「サイクリングが大好き・・・」くらいにしていただけると嬉しいです。
甲斐荘暁子さんの作品展が大好評のうちに終了しました。
甲斐荘さんは、平面作品とともに鉄素材のオブジェを自由な感性で創られます。今回も新感覚の、空を飛ぶ天使や鳥などの鉄作品がたいへん魅力的でした。シンプルな厚みが特徴である鉄作品のこのスタイルも、とてもフレッシュな新しさを感じずにはいられませんでした。
また、大きな作品から小品まで、様々な表情が楽しい充実の平面作品も展示されました。 平面作品の、コラージュ素材がペインティングで軽やかに塗り込められ色彩の光が遊び戯れているいるかに見える画面は、まるで楽園のようなあでやかさです。
画面上では、そんな部分と部分が重なり、空の色の連なりのように繋がりながら、より大きな世界へと飛翔するかのようでした。
甲斐荘さんは、ご自分の作品についてもほとんど言葉で説明することはなさいませんが、持たれる多くの才能を視覚伝達表現を通されていると感じます。
作品を通して、彼女のこぼれるような瑞々しい感性のエッセンスを、受け取らずにはいられません。
そんな、寡黙で饒舌な、不思議な甲斐荘暁子さんから頂いたコメントです。
↓
具体性を求めないで、ふわっと制作したいです。解らない事は、ひとまず括弧で閉じて。人との出会いもそんな感じで、ふんわりと。(甲斐荘暁子)
軽やかですっきりとした表現で、しかも見応えあるものに仕上げるというのは、存外にむずかしいことと思います。
高橋知江さんの今回の展覧会は、そんな難しさを見事にクリアーし、快い爽やかさを皆様にお届けできたのではないかと感じております。
高橋知江さんのセンシブルな線描表現とシルクスクリーン技法がとても良い相性を奏でて、オリジナリティ溢れる世界観を創られたと思います。
時代は増々ボーダーレスに、グラフィック、イラストレーション、アート感覚と、多くの情報を人に投げかけます。そして若々しい感性はそれらの情報を咀嚼、再構築して新たな視界を築いて行く様に思えます。
今回、高橋さんの軽快さの中に様々な思いが包含された作品の瑞々しい感性を、多くの方々に受け入れられたことをとても嬉しく感じました。
以下に、高橋さんのコメントをご紹介させて頂きます。
↓
日々、つれづれと出てくる線画と、
きりっとしたシルクの手法を組み合わせて、
すっきりとした個展にしたいと思いました。
シルクに悪戦苦闘しながらも、
赤や青や黄色の美しさに励まされて、
なんとか展示をすることができました。
スペースユイのみなさま、見に来てくださったみなさま、
どうもありがとうございました。
(高橋知江)
昨年、7年のブランクを破って個展を開催、その力量に皆を唸らせた星野哲朗さんでしたが、今年は更に洗練された作品を見せて下さいました。
星野哲朗さんは、主にヨーロッパの建築物、そしてワインのボトルやパン、オリーブ、チーズ等の食材を描いたら、誰にも真似のできない作風と世界観を構築しました。
作品モチーフの建物等は、リアルな様でいて平面的な構成であったり、次元が交差したりと、ひじょうに見応えある画面に描かれております。
星野さんの作品を前にすると、まるで南欧のどこかの街角でふと聴こえて来る音楽に耳を傾けながら佇んでいる様な気分に誘われます。
技術を磨きぬき思考し続けて、作品の様式を星野さん独自のスタイルに創りあげましたが、重厚とも言えるマチエールの中に軽やかな感性が加わって、より魅力ある作風になったのでは、と感じます。多くの若い方々の注意も魅き付けて、新しい広がりを予測させる風を感じました。
また、小さな時分から建物や乗り物を遠近法で描いていたり、機械の中身等を描くのも大好きだったという星野さんのお話を伺い、子供の頃の作品を拝見したい気持にかられました!
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