Monthly Archives: 11月 2015
2015.11.24:火曜日

 

Yoshiko Abe  Line + Colors 

 

 

 

 

Yoshiko Abeさんの展覧会が、人々に余韻を残して終了致しました。

細い線や色鉛筆のタッチで描く静物や風景、思い切りの良い面を切り取って構成したグラフィカルな抽象的画風の作品や、太めの筆のタッチでのシルクスクリーン作品等、ヴァラエティーに富んだ作品の数々が展示されました。色々に試みられた作風の数々でしたが、それぞれの画風に統一感があって、どれも心地よいYoshiko Abeさんの作品でした。

今回はペインティングの画法も加わって、更に多彩な世界が繰り広げられました。

これ迄の作品がさり気ないセンシティブなものとしたら、新しいカテゴリーのペインティング作品は、人々の少し沈痛な思いを宿しているよう・・、でも画面の奥には光が感じられる、という風な感想を持ちました。

軽やかな、人々を明るい気持に呼び起こす力のある方ですが、作者の新しい視線と方向性の発見も興味深かったです。

この自由な感性のいくつかの画風の作品が更に膨らんで、人々と親和性を広げて行ったら、優しい感情を呼び起こす強い力をもたらす様に感じます!

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/yoshiko-abe.html

 

 

 

小渕もも 個展 2015 

 

 

 

 

いつものMOMOさんの思い切りの良い作品展でした。今回は大きな画面の花と果物の静物画と、それよりも少し小さめな画面に女性を描いた作品を展示致しました。

MOMOさんは、しゃっしゃっと、作品を無造作にテープで貼り付けていきます。独特の展示方法ですが、展示されると和紙のような風合いの作品がおしゃれに生き生きと輝き出すのがとても不思議です。

MOMOさんのイタリア磁器に絵付けした独特な風合いの作品も毎回素晴らしく、人気です。白地に藍色で花々を描いた大皿は、揺るぎのない線が特に魅力的でした。

また、今回フェイスブックに載せたセクシーな女性のイラストレーションが思わぬ人気がありましたが、MOMOさんの描くきりっとしていてセクシーな大人の女性は誰が見ても美しくて思わずボタンを押してしまうのでしょうか。

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/obuchi_15.html

 

 

 

蒲優祐「装丁の想定」

 

 

 

 

今年で2回目の蒲優祐さんの展覧会「装丁の想定」でした。

展覧会では、書籍の装丁を想定したプレゼンテーションと使用されたイラストレーション作品の展示とでビビッドな作品が色彩鮮やかに印象的でした。

展示の方法は、昨年と全く変わりなく、計算されたグラフィックデザインは見応えのあるものでしたが、以前にも増して意欲的に活動の幅を広げて活躍する蒲優祐さんです。展覧会会期内にもSNS等の数々の連絡網での多忙な仕事ぶり、実際にお見えになる方々の多彩さに驚かされました。

今回、この仕事関係では最前線の方々に作品をご覧になって頂きましたが、「装丁」の中だけで収まる様にも思えない蒲さんのヴァイタリティーは、デザインという大きなフィールドの中でどの様なスタンスで次の活躍へと繋がって行くのでしょうか。

これからも若い蒲さんはご自身のやり方でチャレンジを続けられると思いますが、手を広げすぎるとクリエイティビティは弱まってしまうというのではないか?という常識的な心配を打ち破って行って頂きたいものです。

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/kaba_15.html

2015.11.13:金曜日

 

 

       

 

 

 今回の卯月光俊さんの作品は、何かが大きく変わった感がありました。様々な技法を自分のものになさって、卯月さん独自の作風をつくりあげ構成した作品には風格が滲み、空間の奥行きと見られるものが加わって、作品の力をとても強く見せているように感じます。

作品の裏側からも絵筆で描き込むことにより、輪郭線の味わい深さをはじめとする表面からの作品の見え方を、鏡を使ってお見せするプレゼンテーションが、とても素敵でした。

卯月さんの作品のコンストラクションといったものを、作品表現そのものとして見ることができ、もうひとつ楽しみ方を発見したのでした。

また、そのような事がらとは別に、空間に展示された作品全体から発せられる場の力を感じたのですが、今迄より更に技術力を深めた卯月さんが、自身の作品の中に自由な技法空間を発見なさったのかも知れません。

伝統的な表現手法と現代的なグラフィックな感性が結びつき、富士山や太陽や月や星がとてもシンンプルに和のテイストで描かれる作品は、とても洗練された大人の世界観と感じておりましたが、これらの卯月さんの作品が幼児向けの絵本になることが決まりました。出版社の方の慧眼に、敬服いたします!まだ無意識に生きているかの年令の幼児に卯月さんの作品を見せるという感覚をとても面白く感じ、新たな目を開かせて頂いた様に新鮮な思いです。

魅力的な作品、そして本を来年の秋にも見られる予定ですが、大きな潮流になって行くのでは?と今から期待が膨らみます。

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/utsuki_15.html

 

画廊では、特に親しくさせて頂いている絵本の会社や広告等に関する会社のセクションがいくつかありますが、福音館書店等はその筆頭かも知れません。

子供の年令や各セクション毎に分かれているいろいろな部署の編集の方々にDMをお出ししておりますが、福音館だけで○十人に上ります。皆さんそれぞれに良いお仕事をなされる方々なのでとても光栄に思っております。

今の時期、「画集」そのものの発行が稀なものになってしまいましたから、絵本がそれに変わる価値を持っている様にも思います。画廊では、本当に数えきれないくらいの方々の作品を本という形に残して頂き、感謝いたしております。

特に長い期間に渡りお世話になり、親しくさせて頂いている方の自由なお仕事ぶりには頭の下がる思いです。抽象画や素人目には大人の感性にしか見えない作品も、こだわりなく子供の世界に加えて下さるのです。このような方々の尽力がなかったら、絵本の世界はもっと面白みの乏しい淋しい世界になっていたのではと思います。

子供の脳内の事は自分の認識内に於いては遥か遠いのですが、宇宙のどこかから生まれて来る命に老若の差の巾は、人間が考えている程にはないのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

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