あずみ虫さんの今回の展示、とても充実していた、と評判でした。
昨年アラスカに数ヶ月間滞在され、しっかりと自然界のエネルギーをご自身にチャージされたご様子のあずみ虫さんです。
ずっと以前から動物がお好きなあずみ虫さんの作品モチーフとして、よくシロクマや鳥、毛皮のフード付きのコートを着た女の子、楽しくも厳しさを感じさせる風景が多出していた様に思います。今回は、アラスカでの生活から日本に戻られてからの作品でしたが、以前の展示の続編の様にすんなりと、でもたいへんフレッシュな感覚で拝見することができたと感じております。
作品に描かれ表現された澄んだ空気や水や山々の感じが、みずみずしく見る側に語りかけます。同じ時代を生きていても、スマホや電化製品に囲まれていても尚、物事、物語の始まり、神話的な領域を残すアラスカの大地から掬いとったものを、見事に表現された見応えのある作品ばかりが紹介されました。
空のこぼれる様な星々と共にある山や川、様々な動物達、呪術性さえ残すトーテンポールなどをあずみ虫さんの感性で切り取ったグラフィカルなキュートなオリジナリティ溢れる素敵な展覧会でした。
今年の北沢有芸さんの作品展、いつもの年に比べると色彩も優しく柔らかな印象が強かったと思います。
そして、毎年の展示で感じることなのですが、北沢さんの作品の一枚一枚には物語があり、そして次の一枚にも繋がっている・・・。しかしその物語はどこに向って行き、どういう風に収束して行くのか謎めいて見えないのです。
常に、一週間の会期中にストーリーの先がもう少しで見えそうですが、やはり見えないのです。自然と、もやもや感がつきまといます。
でも、そんな感じこそが、北沢さんの目ざす所なのかも知れません!
以前の個展でも常にテーマを決めて、主人公が時空間を彷徨うかの様に不思議な世界を見せて下さっていました。
現代の感覚にネイティブな感性が融合し、エネルギーが強まる感覚をとても面白いと思います。
イマジネーション豊かに物語を紡ぎ、同時代的に、時にはSF的にヴィジュアル表現を試みられる北沢夕芸さんの作品は、オリジナルな感性に溢れていると感じます。
北沢さんの、今回の展示作品の制作中のメモから拾ったキーワードをご紹介させて頂きます。
↓
麦わら帽子、強風、風になびく髪、フランス人、女性、マルセイユ、港、港町、カモメ、猫、ジャン=ポール・ベルモンド、山、断崖、切り立った崖、ヌーヴェル・ヴァーグ、スクーター、ヨット、タンカー、椰子の木、ベンチ、木の椅子、ベランダ、テラス、人魚、雲、水面に映る雨、マリー、砂丘、ライオン、海を見ていたマリー、穏やかな色と形。
(北沢夕芸)
http://old.spaceyui.com/schedule/yuki_kitazawa2019.html
個展に展示された星野さんの作品はたいへんな力量の作品ばかりで、そのエネルギーの総量は大きく、相当に見応えあるものでした。
漆黒のようで実は沢山の色彩が合わさりでき上がったバックの魅力的なテクスチュアに浮かび上がるワイングラスやシャンパングラスの、エッジの効いた透明感は、強く印象に残ります。
重みのある色彩と質感による作品は、簡単にお部屋にかざる事が躊躇される程の完成度ですが、思わず作品の中の物語に引き込まれずにいられません。或いは作品と観る者の間で知らずに交流が生まれるのかも知れません。
最近、星野さんに画廊ディレクションの仕事でF40(1mx80.3cm)の比較的大きな作品を発注しました。星野さんの敬愛するアールデコ時代の美術家でデザインと絵画の世界を往復したカッサンドルが鋼鉄の船を大胆な構図の美しいポスターに仕上げた様に、 機械や風景が一緒に描かれるという難しいモチーフを見事にこなされ素晴らしい作品を描き上げて頂きました。星野さんのその作品もいつか皆さまにお見せできる予定です。
来年も春に個展の予定がございますので、まだご覧になられておらずご興味のある方にはぜひともお出かけ頂きたいと存じております。
ヨーロッパのテイストがずっとテーマで描き続けている星野さんの作品は、レストランや西欧テイストの空間に、新しい感性でフィットすると感じています。
http://old.spaceyui.com/schedule/teturou_hoshino2019.html
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