Monthly Archives: 5月 2015
2015.05.10:日曜日

 

宮本崇輝   「 life のびやかに歩む」

 

宮本崇輝

 

 

4月の個展の後にすぐにオーストラリアへと旅立った宮本崇輝さん。今頃はオーストラリア南端部の都市アデレードで、楽しい日々を送られていることと想像致します。

2000度の熱を持つ溶けたガラスを相手にするには、繊細な感性と強靭な身体能力を併せ持っていなければならない筈・・・。

高温と格闘しながら作品制作に励む中で、最近少しスリムになられた宮本さんですが腕の筋肉の力こぶも逞しい実はタフな青年です。

前回に続いて今年の展覧会でも、作品として自由に作られたオブジェと、実用のガラス器との二つのタイプの展示がされました。

透明感を際立たせるかに感じられる色付けされた作品からは、自由にのびのびと楽しみながら制作した、という感覚が伝わって参ります。ガラスという素材の性質を追求し、扱いに長け、力を出し切った、と言っても良いくらいに心に伝わるものがありました。

ガラス自体が持つものなのか、宮本さんの創造性なのか、素材と作家との分ちがたい感性と瑞々しい生命力が、作品に宿っていると感じます。

グラスや水差し等の実用の製品もガラスの厚みや口径サイズのバランス、形の取り方等に言葉では表現できない感覚的なセンスが光り、思わず所有されたくなる方々が多く、とてもよく売れました。

アデレードは、YUI DROPSでもおなじみの「JANESS」というアロマ製品の会社がある街です。優れた薬草学者でもあるジャニス・スミスが経営する「JANESS」は世界各地のアロマファン注目の地でもあり、とても興味深い場所です。

宮本さんはオーストラリアの次はカナダへと向われる予定です。大きく羽ばたいて、どんな素敵な実りを持ち帰って下さるのでしょう。

 

 

宮本崇輝

 

 http://old.spaceyui.com/schedule/miyamoto_15.html

 

 

 

 

北沢夕芸   「 POP FETISH WONDERLAND」

 

北沢夕芸 

 

 

北沢夕芸さんは現在最も充実して、エネルギーに溢れた作家さんのひとりと感じます。

当画廊では、2010年に開催して以来の久しぶりの個展開催となりました。

作品完成度の成果と充実の様子が、御来廊下さった方々の賑わいや反応からダイレクトに感じられる大盛況の展覧会でした。

ひとつひとつの作品に、作家の想像力がぎっしりと込められた物語が語られており、見応えある作品から刺激を受けると、いやがうえにもイマジネーションが膨らんで参ります。

物語溢れる画面は、絵本のページをめくる様に連続してストーリーが流れて行く訳ではないのですが、作品から少し離れて、もう一度見つめていると、ギャラリー空間全体から「北沢さんワールド」としか言いようのない世界観が立ち表れて来る様子が感じられるのです。

作品舞台の設定は、架空の時間と空間の様に感じとれますが、この時代へと通じる現実味を帯びて作品を観る人々を立ち止まらせてしまいます。

そんな北沢さんの「POP FETISH WONDERLAND」では、ペインティング、ドローイング等の平面作品の他に、柔らかな木の素材を削った表情豊かな少年や少女や動物等、独特な魅力ある立体作品も出品され、こちらもたいへん人気がありました。

キュートなモチーフの背後にかすかに感じられる呪いや、また、逆に祈りの感覚の表現も謎めいていて興味深いです。

北沢さんの持ち味豊かな作品の個性には、見る側の想像力の参加する余地があり、人々を魅きつけるのかも知れません。

 

 

 

北沢夕芸 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/kitazawa_15.html

 

 

 

 

越智香住   「うきくも」

 

越智香住

 

 

東京造形大学で彫刻を学び、スペインで陶芸の技術を習得した越智香住さんの二度目の個展が好評のうちに終了しました。

昨年の作品に引き続き、越智さんの作品は迫力があります。昨年より更に何か呪術的な原初的なパワーが加わって心に響きました。

前回の作品は、古い時代のヨーロッパの様式を強く感じましたが、今年は越智さんのテイストはそのままに、もっと自由に制作されていると感じました。

あどけなさと達観の表情を同時に持つ少年の像や横たわった天使達、そしてシャーマニズムを感じさせるマスクが鑑賞する人々の心を強く捉えました。

越智さんのどの作品からも感じられる事ですが、作品の表情の彼方から届けられる不思議さに多くの方々が関心を抱き、魅きよせられるのを感じます。

特に小さなマスクは、今年とても人気がありました。自然な土の色彩の濃淡によって着色されたオブジェは、可愛らしさをひそめ、呪力を持ち、インパクトがありました。

越智さんもギャラリーの人間も知らない何人ものお客様が、小さな越智さんのマスクを購入されて行かれた事が印象に残ります。

また、シンプルの極致を目指しているかに見える白と黒が基本の清潔な食器は、お料理が美しく映えそうです。

CASA BRUTUS等の雑誌やお料理の本、TV番組等に、キッチン周りの物を提供する仕事をしている画廊近くのお店の方が、 纏めてご購入下さいました。雑誌やTVで越智さんの陶器にお目にかかるのが楽しみです!

 

 

越智香住

 

 http://old.spaceyui.com/schedule/ochi_15.html

 

 

 

 

 

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