Monthly Archives: 11月 2018
2018.11.28:水曜日

 

 

注目の作家、河井いづみさんの三度目の個展 ーA party ーが開催されました。

鉛筆画やリトグラフ版画として表現される河井いづみさんの作品の数々は、現代的なモチーフと感性に彩られており、しかもそれらの作品が視覚に訴えかけるオーソドックスなテクスチュアは、多くの方々に親しまれ愛されている事を感じます。

モノクロームの独特な世界観から広がって、今年は色彩豊かなリトグラフ作品の制作にも挑戦され、新たな魅力が加わりました。

ひとつのリトグラフ作品が完成する迄には、たくさんの制作行程を辿り、緊張を強いられる時間も費やさなければなりません。

河井さんの作品からは楽しさや幸福感と共にどんな空間にも耐えうるクールな力量、という風なものを感じておりますが、それはやはり技術的な確かさに裏打ちされた要素と先進的な感覚が相俟って生じるものとおもいます。

河井さんのご実家は長崎のカステラ等を扱うお菓子屋さんで、お店の包装紙も河井さんのおしゃれなデザインが素晴らしいのですが、そんな彼女のDNAルーツについてのステキなコメントをお寄せ頂きました。

私の祖母は、家業の菓子店の仕事をしつつも、手芸の先生でもあったので、祖母の作業部屋にはたくさんの布や紙、奇妙なオブジェや道具が天井まで積み上げられていて、家が傾くほどでした。

多種多様に、ほこりと共に雑多に積み上げられた物たちの、色と輝きと染み付いた香り。混沌。

私はいつもゴロゴロしながらそれを眺め、小さくなって潜り込み、宝探しや冒険をしていました。

その時からの空想の旅が、まだまだ続いているように思います。          (河井いづみ)

http://old.spaceyui.com/schedule/izumi_kawai2018.html

2018.11.19:月曜日

 

 

 

 

石と砂と布。

今回の作品の画材として、オカダミカさんは三つの素材を選びました。

三つの素材はそれぞれに、作品モチーフのテクスチュアとして質感豊かに生かされ表現され、ファッショナブルなモード感覚に溢れる作品、物憂い表情の女性たちの作品が展示されました。

作品画面の中に、石をモチーフにしたヴィジュアルがそっとコラージュされているけれど、何故か水草と水の中に漂うかに軽やかにそして意味深く存在する女性。

また、メイクアップもドレスアップも完璧に、ポージングする女性・・。良く見ると砂が素材のショールを身に纏っています。

石や砂という不思議な存在、そして水も岩も、自然界で巡回し流れながら互いに触れ合っている。生命体である美しい女性たちもそれらと等価に存在しているかに見えるオカダミカさんの作品は、理解しやすいようにも、また、し難いようにも感じ、無限の可能性を秘めていると思いました。

また、作品とは違った角度からご本人と接すると、親しみやすく優しさに溢れるオカダミカさんの表情があるのです。

三重県津市のご実家が、ずっと洋服生地、それも希少な輸入ものを扱う洋装店を経営されていて、ずっと布地やレース生地や洋服達といっしょに過ごし、そしてご本人いわくモードと共に商売まみれの生活だった等とおっしゃる、作品が醸し出す女性たちの神秘的な雰囲気とは対照的な世界観との振り幅の大きさも、オカダミカさんの魅力なのではないかと思います。

http://old.spaceyui.com/schedule/mika_okada2018.html

2018.11.07:水曜日

 

 

 

https://www.facebook.com/YukoTakadaKeller.Fanpage/

 

 

 

デンマークに住んでいらっしゃるYuko Takada Kellerさんの、東京と京都での同時開催の展覧会でした。

普段はもっと大規模なインスタレーションをされるYuko Takada Kellerさんですが、今回はこのギャラリーの規模に合わせて、小さめな親密感溢れる作品展示の構成をして下さいました。

その中のひとつである今回の展示を代表する、窓側からと窓から180度向かい側からはハートの形に見え、90度移動した角度からは球体に見える、という超ファンタスティックな作品を展示致しました。美しいだけではなく綿密な計算の上での設計がなされており、脳への様々な方向からの刺激がたいへんに魅力的で、多くの方々から賞讃を頂きました。

また、作品は透明なトレーシングペーパーに丁寧に着彩されたもので創り上げられていて、その透ける感覚素材がひとつひとつの作品の美しさを際立たせていたと感じます。

東京やコペンハーゲンの地図の上に、家と人々を象徴する小さなオブジェを点在させた平面作品や、地図をプリントした紙素材をカットし、書籍の形象としてアクリルBOXの額内に構成した作品等、温かくそしてコンセプチュアルな要素を含む作品が、人々に優しく訴えかけていました。

会場全体に、端正な美意識溢れる空気が漂っていたと、感じております。

明るく気さくなお人柄のYuko Takada Kellerさんは、インターナショナルに大活躍されている方ですが、教職や講演等、様々な方面からも大人気です。

たいへんお忙しく、移動も多かった日本滞在の日々でしたが、またいつか、彼女の大きな美意識で東京の新しいファンの方々を魅了して頂ける日が来ることを願って止みません。

http://old.spaceyui.com/schedule/yuko_takadakelar2018.html

https://www.facebook.com/YukoTakadaKeller.Fanpage/

https://www.yukotakada.com/

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