小巻さんの完成度の高いお仕事ぶりを見せて頂いた時、 どんなお仕事を依頼しても安心して確実な仕上がりを期待できる、プロフェッショナルなイラストレーター!と思ったものです。
小巻さんが描かれる服飾品やアクセサリーや室内の調度など、おしゃれなシックな女性の暮らしぶりが想像されます。
グラフィックデザイン的センスを礎に感じられる小巻さんの作品ですので、客観的な鋭敏な視線が作品の力強さのバックボーンになっているのだと思います。
確かな腕前のラインで描写する作品の美しさは、思わずお部屋に飾ってみたい!と観る方々に思わせるものでした。
実際に驚くほど多くの方々が小巻さんの作品をご自分の手元に置いて下さる事になりましたが小巻さんご本人の作品に対する視線は、とても厳しいのです!
端正な美しいラインを、自由に楽し気に、そしてどんなものでも描けてしまう方ですが、シンプルな線だけの表現で思いや感覚までも画面に作品として定着できる技というのは、生半可なものではないと思います。
見る人と感覚を共有する事のできる小巻さんのシンプルな作品を、表には見せない努力や苦心のある貴重なエネルギーを包括するものと感じております。
これからの小巻さんが、作品制作の上でのスピリットをどんな風に込められ創り上げられて行くのか、楽しみでなりません!
作家本人や画廊サイドは無論のこと、竹井さんの周辺の方々やファンの方々、皆が待っていた展覧会がやっと開催できました!
今回は新型コロナ感染拡大の影響から二度も日程を変更、皆様にはたいへんご迷惑をおかけ致しました。
展示が始まりますと、世の中の息苦しさが嘘のように、明るく大らかな作品がパワーを放ち、皆様の心にぱっと明かりを灯したように感じられました。
竹井千佳さんは、作品の作成にあたってはご苦労の跡を残しませんが、まるで息を殺さなければ描けないような線も多く見られ、その腕前に唸らされました。
徐々に大人になっている千佳さんの、作品の中の女の子たちの表情も一緒に大人になっている気が致します。
等身大の人物の日常のあれこれを具現、描写しておりますが、画面からは飽くまでも端正な美意識が感じられます。
可愛らしかったり、楽しかったり、という事も大切な事ですが、それと同時に、意識的か無意識的か、抽象化した様式的な構造がバックボーンにあり、作品の骨太さを感じるのです。
また多くの方が、作品をご購入下さいましたが、画廊の近くにアトリエを構えるアートディレクターの方が、少し新しい画風が加味された少女の肖像作品を買われた事がとても印象的でした。その年配のダンディな紳士は、千佳さんに仕事を依頼したいが、作品を事務所の壁に掛けて眺めながらの方がイメージが湧く、とおっしゃっておられ、そのミスマッチ感覚がとてもフレッシュに感じられました。
今回は、大阪の販売会社が千佳さんグッズを驚くほど沢山種類を作って下さり、展示に花を添えて下さいました。財布やメガネケース、ポーチ、コンパクト、と数えきれません。本当に可愛らしく、大人にも子供にも、男性にだって興味を持たれそうです。
また、夏以降にスペイン語で女の子という意味の「Chica(ちなみに千佳さんのスペルはChikaです!)」という名前のソフビの人形も発売される予定、楽しみです!
やっとギャラリーが再開できる日が来ました!
新型コロナウィルス感染拡大という、思いもしなかった出来事の為自粛の日々が続いて、4月5月と全く個展開催ができませんでしたので、会期を譲って頂いたり、企画展を思い切り延ばしたりして、皆さんの会期のスケジュール調整を致しました。何とかやっと4月5月の方々の日程が決まり、本当にほっと致しました。
画廊再開の展示は百瀬恒彦さんのPortrait Habanaからでした。
キューバがテーマの作品展でしたが、社会主義でありながら自由な空気に満ちあふれた国というイメージの国の形は、世界の行過ぎたグローバル化の負の遺産のように出現した新型コロナウィルスという存在を考えさせられる社会の在り方に思いが及びます。
陽気なリズムの音楽と共にある人々の暮らしぶりと、ゲバラやカストロ等ヒロイックな政治家が携わり出来上がった社会主義の国という側面が微妙なバランスとして、魅力的にもアンバランスにも写る不思議な国の表情を捉えた作品展はとても興味深く味わいのある展覧会でした。
5年程前、百瀬氏は、アメリカとの門戸が開いてしまう前のキューバの独特な景色を撮りに訪れました。
写真家というのは、時の瞬間、人の表情の瞬間を掬い撮る仕事なのだなと、百瀬さんを見ているとつくづく思います。
そうして作成された百瀬さんのスナップショット作品の数々は、雄弁に観る側の魂に語りかけるようです。
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