深谷さんのトラディショナルな技法、技術はほぼ完璧な域と言えるでしょう。
描写力が如何に完成されたものであっても、スーパーリアリズムを目指している作家ではなく、そのデフォルメのさじ加減、センスが相俟って深谷良一氏の力量を示していると思います。
昨年2016年から続いて、深谷氏には絵といっしょに木の箱も展示して頂いておりますが、毎年ほとんどの箱が売れてしまうという人気を博しております。
日本画の様に平面的な筆致を取り入れた日本の工芸を思わせる作品ですが、若い作家や顧客、またヨーロッパの方々等、和のテイストをモダンな感覚で取り入れたいという趣向で人気がある様に思えます。
リアルに見えながら目を凝らして見ると、実はシンプルなタッチに過ぎない描写には、限りない力を感じます。
以下に深谷さんからの文章をご紹介致します。
↓
今回2回目の箱の絵を展示致しました。
檜材の箱には、看板文字と杉板絵の記憶を組み合わせ、全体を覆うように動植物柄を描き、墨文字は浮き彫りにしました。
失われた楽園が少々アカ抜けない花鳥画を装ってモダンを表現出来れば良いのだがと思っています。
広瀬弦さんの4年ぶりとなる個展が開催されました。
今回は、谷川俊太郎さん意訳のイソップ童話に、広瀬さんによる水彩画と、原画をジークレイ版画として制作した作品を展示致しました。
独自の描法、様式の感じられる広瀬さんの作品の持つ魅力を充分にお伝えできる展覧会であったと思っております。
広瀬弦さんの作品と共に谷川さんの手書きのテキストも版画にする、というユニークな試みもありました。
谷川さんに50音のひらがなを書いて頂き、ひとつひとつの文字をレイアウト、谷川さんの詩と広瀬さんの版画とを美しく配置した作品ができあがりました。
ご来廊の方々はじっくりと作品と詩を堪能していらして、鑑賞される時間がいつもより長かったように思います。
イソップという題材を作品として定着させ、提示するという作業は、容易ならざることと想像致します。人間の悲喜劇をコミカルに、時にはブラックに表現、しかも作品としての重量感を保持させていかなければなりません。
今回の「いそっぷ詩」展、谷川俊太郎さんと広瀬弦さんの表現力のタッグがあってこそ、だったと思います。
会場で流れていた、本の巻末に収蔵された谷川賢作氏による音楽も相まって、不思議な楽しい世界に包まれた展覧会でした。
原宿のアップルストアの向かいの小道を入った会場で、グループ展に出品されている方々の中のお一人が高橋春夫さんでした。
真夏の表参道で汗だくになって辿り着いた会場で、初めて高橋さんの白い器に遭遇致しましたが、何も考えずに参りましたためか、器の佇まいの美しさに暑さも忘れてしまいました。
すっきりとシンプルですが、自然と愛着が湧く、普段使いのできる白磁と粉引きの皿やカップ達とは、こんな風にして出会ったのでした!そして幸せな事に展覧会迄開催する事ができることとなりました。
高橋春夫さんは、最近何かとご縁のある出版社の風濤社オーナー高橋栄さんのお兄様で、弟の栄さんがそっと差し出されたグループ展のDMが今回の展覧会のきっかけになりました。
現代のインテリア空間にすっとおさまるデザインの器は、個人の方々にだけでなく、雑誌やTVなどのメディアに向けても使われるべく購入されて行きました。
すでにいくつか使っている白い器たちは、自宅テーブルの上でも、ジワジワとそのパワーを発揮しております!
高橋さんにもコメントをお寄せ頂きました。ご紹介させて頂きますね。
↓
今回初めてギャラリーYUIさんで個展を開催させて頂きました。
確か、私が独立して間もない頃、YUIさんのお名前は存じ上げておりましたが、ご縁があり個展を開くことになるとは
思いもよりませんでした。
照明、什器がとてもセンスが良く、作品もより輝かせてくれました。
又、土地柄色々な業界の方が観てくださり、今後幅広く展開していくのではと期待しております。
美術、工芸の不振が続いておりますが、YUIさんのように積極的にアピールしてくださることに大変感謝しております。
来年はシンプル&使い勝手+少しの遊び心をを取り入れた作品を作りたいと考えてます。
ありがとうございました。(高橋春夫)
http://old.spaceyui.com/schedule/takahashi-haruo_17.html
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