2年ぶりの木村晴美さんの個展が大好評で開催され、無事終了致しました。
木村さんの作品の特徴である、透明感のあるインパクトの強い色彩を用いた作品表現、今年は、より繊細に、完成度高く、イマジネーション豊かに展開されました。
人間の集合無意識に触れるように思えるモチーフの形態をかたちづくる、木村さんの造形力にも改めて感じ入りました。
展示された力強い作品をご覧になられた方々は皆さん同じ思いだったと感じております。
色彩と造形の力が合わさった画面には、木村さん独特の密やかな内側に秘められたパワーが漲っていたように思えます。
今回も先回と同じく、ご覧になる方々の興味は尽きず、大変な人気でした。
そして、木村さんの「ヤツデの庭」という興味惹かれるな不思議なタイトルにまつわる幼少時の物語と、個展についての文章をお寄せ頂きましたので、ぜひご覧ください。
↓
今回の展覧会では、幼い頃に祖母と過ごした思い出をもとに、
架空の「ヤツデの庭」というものを描きました。
ヤツデは、手のひらのような形をした大きな葉で、
ボンボリのような可愛らしい花を咲かせます。
「なぜヤツデなのか?」
私は幼い頃、両親が農作業で忙しい間、祖母の家にあずけられてい
たのですが、その庭先に、ヤツデの木が植えてありました。
ヤツデは縁起が良いとされ、人寄せの木とも言われているそうで、
曾祖父が娘夫婦を思って植えたそうです。
幼い頃、私が見ていたヤツデにはそういう理由があったのかと、
心がほっこりして、ヤツデをテーマにして絵を描きたくなったのです。
祖母と過ごした時間、空間、に思いを巡らせて、
「ヤツデの庭」に潜む生き物、ときおり姿を見せる神様 etc…
を描く。
祖母は 5年前に亡くなり、会うことは叶いませんが、
空から見ていてくれていたらといいなと思います。
最後に、ご多忙にもかかわらず足を運んでくださった皆さま、
素敵な空間を提供してくださったスペースユイの皆さま、どうもありがとうございました。
展覧会場でいただいた皆さまのお言葉を励みに、これからも制作をしていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
木村晴美
http://old.spaceyui.com/schedule/kimuraharumi_2021.html
深谷良一さんの個展が終了いたしました。
深谷さんの作品、特に制作に於けるテクニックは、本当に尊敬すべきものがあると思います。
2020年7月に完成した東北電力による水力発電をテーマにした、ギャラリーのキューレーションを当画廊にて担当致しましたが、深谷さんにもお願いして、力作を描いて頂きました。
奥会津にある東北電力奥会津水力館の只見川ギャラリーへの展示作品は、「水源」、「川」、「発電施設」、「灯り」と、電気が私たちの生活の現場へと訪れる過程を4コマに分けて企画し、テーマごとに何名かの作家さんにお願いし、展示したものですが、深谷さんには「水源」と「発電施設」を描いて頂きました。
これまで、あまり発表の機会がありませんでしたので、この場を借りて力作をご紹介させて頂きたく思いました。
F80と大きなサイズの作品を2点描いて頂きましたが、皆さんに大変喜んで頂いております。
下に掲載の作品は、「発電施設」をテーマにしたものでタイトルは「冬の堰堤」です。
http://old.spaceyui.com/schedule/fukaya_2021.html
門川洋子さんの個展、渾身の作品が並びました。
125cm四方の正方形の作品、小さなギャラリーでは目を引く大きさですが、画廊正面に展示するといつもより空間が広がって見えて来るのが不思議です。
時々fbで、作品制作の途中経過を垣間拝見しておりましたが、これ程の大作とは思っていませんでしたので、たいへん驚かされました。
門川さんの描写力には以前から定評がありましたが、今回の展示では更なるパワーが作品のひとつひとつに漲っている様でした。
今回の門川さんの作品は、洋服や洋装小物などのファッションアイテムがテーマ、白いバック地にファッションモチーフが描かれた表現方法は、思い切りの良さと、グラフィック的なセンスの良さが感じられました。
ギャラリー空間も考えられた作品構成のプレゼンテーションや、作品画面の美しい二次元構成が、三次元に繋がって、もう一つプラス、見えないけれど感じられるエネルギーを加味されて息づいていたように感じます。
ギャラリーを訪れた方々にそのような感慨をお持ち頂き、息を呑む感覚を味わって下さった事を感じ取れる素晴らしい展示でした。
精密に描写する事の技術能力は、それだけで驚きに満ちたものですが、そういった表現形態の中に現れる作者の個性も注目に値します。
細密な描写に必要な鋭敏且つ研ぎ澄まされた集中力と共に、画面には目には見えにくいけれど、門川さんの精神に宿る柔らかな温かな何かを感じ取られた様に思います。
そして、そんな風に差し出されたエネルギーは、確実に作品を見た方々に伝わったと感じております。
http://old.spaceyui.com/schedule/yokokadokawa_2021.html
この度の、はんまけいこさんの展覧会「はんまけいこ 南の島のものがたり vol.3」は、現在のコロナ状況のため、沖縄小浜島からはいらっしゃることができず、ご本人が不在のまま開催されました。
離島に生活されるはんまさんが今回東京にいらっしゃる事は、東京の状況を鑑みた地元の方々の感覚からも不可能だったと容易に想像されます。
はんまさんご自身も、また人々の心を明るく導いて下さる力のあるはんまさんにお会いする事を楽しみにしていらしたファンの皆様も、本当に残念だったと思います。多くの方々からそのような言葉を聞きました。
そのような状況でもはんまさんの人気は変わらず、大人気の個展でした。
水彩絵具で描かれる自在なタッチは、ますます技術も磨かれて、楽しく見応えのある作品になっていると感じます。
ヤギさん達や動物達、人間達にも惜しみなく注がれる、太陽の光や緑の樹々のエネルギー。大自然の恵みを贅沢に浴びながら創作活動に励むはんまさんの生活は、人間のひとつの理想的な生活と思います。
そのような環境から生み出されるはんまさんの作品の数々、陽気で健康的しかも欧風に洗練された画風には、揺るぎない力がみなぎっていて観客の方々にエールを送ります。
人々にとり、失われてしまった「自然」という理想的な生活形態と「都会」社会のサイクルの中をずっと長い期間生きていらっしゃるはんまけいこさん。自然の人であるだけでなく、SNSなどを駆使して以前から都会に住む人々との連携はきっちりと取れています。
小浜島から送られて来るはんまさんからの、空や海や樹々の青さに触れ、その中で暮らす可愛らしいヤギを見、私たちはほっと癒されるひと時を感じることができるのです。
http://old.spaceyui.com/schedule/hanmakeiko_2021.html
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