2018.02.05:月曜日
中谷日出 個展「映像・美術・記号」

 

 

https://www.instagram.com/p/BehCKYjBc_O/?taken-by=spaceyui_aoyama

絵の動く画像はこちらからご覧下さい。

 

中谷日出さんには十数年も前に、今では3Dプリンターも珍しくありませんが当時は斬新すぎて人々に共感して頂くのも難しかった3Dコンピューターグラフィック作品の展示、そしてナノゲノムをテーマにした作品を顕微鏡で覗くという画期的なスタイルの展覧会も開催頂きました。

実験的な作品制作の姿勢は変わらず今回の展覧会へと続いている様に感じますが、2018年の中谷日出個展「映像・美術・記号」では、大分人々との距離が近づいているのではないかと思われます。

まさにアートアンドサイエンスというテーマでの重量感のある作品展示と、先端テクノロジーにより、更に人々を驚かせ共に楽しむという感覚の展覧会の姿勢は、ずっと一貫していると感じております。

そして今回の中谷日出さんの作品から、私たちが通常何気なく見ている物や空間などを、一旦無造作な意識から、意図して認識し直す事の大切さ、そしてそれをもう一度感性の領域へとフィードバックしてからイメージをさらに膨らませていく、というメッセージを受け取りました。

知的な分析とそれらに基づく視線は、科学や学問の分野のみならず、創作表現の場に於いても当然着目すべき視点なのかも知れません。また中谷さんの明晰な視点から生み出される作品に於いては、客観性の影響やマーケティング的なものを重視したものへと傾きすぎない様、もう片方の世界へと解放されていく揺れ幅も感じます。

どちらにしましても、感性の領域を表現していくということは、見えざる本質的なものを掴みとるという姿勢なしには、語れないものと思います。

中谷日出さんが、今回提示されたテクノロジーを駆使した作品からは、その画像から受ける先進的なイメージと共にたゆたう様な光や樹々のそよぎ、美しい水の流れや人間の所作などといった、人々との共有意識を追求した温かなものが感じられました。

                        

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