2019.06.18:火曜日
北沢夕芸 海を見ていたマリー

 

 

今年の北沢有芸さんの作品展、いつもの年に比べると色彩も優しく柔らかな印象が強かったと思います。

そして、毎年の展示で感じることなのですが、北沢さんの作品の一枚一枚には物語があり、そして次の一枚にも繋がっている・・・。しかしその物語はどこに向って行き、どういう風に収束して行くのか謎めいて見えないのです。

常に、一週間の会期中にストーリーの先がもう少しで見えそうですが、やはり見えないのです。自然と、もやもや感がつきまといます。

でも、そんな感じこそが、北沢さんの目ざす所なのかも知れません!

以前の個展でも常にテーマを決めて、主人公が時空間を彷徨うかの様に不思議な世界を見せて下さっていました。

現代の感覚にネイティブな感性が融合し、エネルギーが強まる感覚をとても面白いと思います。

イマジネーション豊かに物語を紡ぎ、同時代的に、時にはSF的にヴィジュアル表現を試みられる北沢夕芸さんの作品は、オリジナルな感性に溢れていると感じます。

北沢さんの、今回の展示作品の制作中のメモから拾ったキーワードをご紹介させて頂きます。

麦わら帽子、強風、風になびく髪、フランス人、女性、マルセイユ、港、港町、カモメ、猫、ジャン=ポール・ベルモンド、山、断崖、切り立った崖、ヌーヴェル・ヴァーグ、スクーター、ヨット、タンカー、椰子の木、ベンチ、木の椅子、ベランダ、テラス、人魚、雲、水面に映る雨、マリー、砂丘、ライオン、海を見ていたマリー、穏やかな色と形。

(北沢夕芸)

 

 

 
 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/yuki_kitazawa2019.html

 

 

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