2017.07.12:水曜日
備前 天野智也 作陶展「層土彩器」

 

 

 

 

天野智也さんの個展は今年で10回目を迎えました。回を重ねる毎に作品も充実し、お客様もどんどん増えて、天野さんの人気は止まるところを知りません。

一度天野さんの備前の器で食事をし飲物を頂くと、もうひとつ、そしてもうひとつ、とごく自然に手にしたくなってしまいます。シンプルですが揺るぎない技術に支えられた現代の私たちの食卓にすっとなじむ美しい器です。野菜の緑や赤い色がとても映えるのです!

多くの一般のお客様と共に画廊近辺のお寿司屋さん、天ぷら屋さんを始め、レストランや遠く銀座界隈のミシュランの星を持つお店の方々までお買い物をして下さいます。

作品のクオリティーといっしょに天野さんの率直な明るいお人柄も大勢の人々を魅き付けていらっしゃるのだと感じます。

また、水差しや花器には、近代建築やインテリアデザインに対峙する贅肉の削ぎ取られたシャープな感性が光り、天野さんのもうひとつの魅力的な側面が示されます。

天野さんからとても!素敵な文章が届けられましたので、以下にご紹介させて頂きます。

器の力

僕が器を作る訳。

母が晩ごはんに好物を作ると聞くと、お気に入りのうつわをいそいそと食器棚から選ぶという子供だった。自分の分はこの鉢に盛って出してくれと。

料理を作るほうからするとめんどうな話であるのに笑って許してくれた母。美味しそうに食べる様子を笑顔で包んでくれた。

気に入った器で食べる料理は本当に美味しい。お腹も心も満たされて気分がいい。そんな器を作ってみたいと思った小さい頃の記憶。24年前に亡くなった母と料理と器との愉しい食卓の光景は今も瑞々しく心の中に。

よい器とは、心をより豊かなものにするものだと思っています。私の仕事の原点です。

使って下さる皆様の人生に彩りを添える器を作りたいと土に向き合う日々、あの頃から今も変わらぬない想いでひとつひとつ器を作ります。

(天野智也)

http://old.spaceyui.com/schedule/amano_17.html

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