2018.02.27:火曜日
高橋春夫 陶芸展
高橋春夫さんの器を使っていますと、何故か自然に良い気分になります。白磁と粉引きの白い器を当画廊で取り扱うのは、昨年の高橋さんの展覧会が初めてでした。
白磁は、器の芯から白い色の磁器でできていて、硬質な美しさが魅力です。
専門家ではないので他の方々の作品を多くは知りませんが、高橋さんの白磁の器は粉引きと近い感覚なのではないかと想像いたします。
粉引きは、土を用いて成形した器に白磁を粉砕し水に溶いた液体をくぐらせて作るものですので、白磁に比べて柔らかな感覚で、その風合いに安らぎを覚えます。
一方、白磁は粉引きの様なニュアンスはなく、美しいその肌合いはとてもクールに見えますが、使った印象では全然冷たさは感じられず、綺麗なフォルムと表面素材から感じるのはコミュニケーションできる温かな楽しい使用感ばかりなのです。
最初は食器戸棚にしまっていた小さな白磁の皿を使い始めたら、不意を突かれた様な愛着が湧いて参りました。
繰り返し作られ、繰り返し人々に使われている食器として陶磁器を、これ迄のものよりも更に納得の行く魅力あるものへと作り続けて行くのは容易な事ではないと思います。
シンプルな白一色の器に込められた高橋さんの感性の確かさをとても大切なものと感じております。
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