2020.02.08:土曜日

 

 

 

 
そで山かほ子さんの個展、ハッピーな空間には一足早めに春が舞い降りたようでした。
活躍中のそで山さんに個展のお願いをしたのは、展覧会開催までに3ヶ月しかない時期でしたが快く引き受けて下さり、個展としても素晴らしいプレゼンテーションをしていただきました事、この場を借り、お礼を申し上げたく思います。
薄い木質板を切り取ってポップに着色した作品からは、楽し気なエネルギーが溢れて、制作のご苦労を忘れてしまいそうですが、時間を惜しまない事や技術的な工夫が作品を味わいあるものにしている事は間違いないと感じます。
安西水丸画塾でイラストレーションを学ばれたそで山さんとの水丸さんの思い出のお話も楽しいものでした!
そで山さんからもコメントをいただきました!

「Life is about timing.」
タイミングがテーマの今回の展示では、わたしが出会った人や物や景色をたくさん描きました。好きなものに囲まれた展示期間は楽しくてあっという間の笑顔の6日間でした。
来てくださった皆さま、気にかけてくださった皆さまありがとうございました。
今回の展示の機会をくださったスペースユイの木村さん、ともえちゃん、ほんとうにありがとうございました!
タイミングとご縁に心より感謝をこめて。
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/schedule/sodeyamakahoko_2020.html

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2020.02.03:月曜日

 

 

 

 
今回は、山田博之さんご自身に文章を書いて頂きました。展示準備の時に山田さんが「自分は職人と思っている、アーティストではない。」とおっしゃっていたことが頭から離れません。
山田さんの作品から励まされ、刺激を受けてご購入される方々が大勢いらっしゃいます。イラストレーションの職人て格好良いナ、と思います。
山田さんのコメントをぜひご覧下さい。
 

 
2015年にユイで、個展「Tube」を開催しました。冬の2月に青一色の波の絵。季節的にどうなの?仕事に繋がるの?津波のイメージはない?いろいろと懸念はありましたが、「パワフルな波が描きたい」ただそれだけで描きました。結果、個展をきっかけに、ADCメンバーの新村則人さんと「新村水産ポスター」、2016年、2019年の博多での壁画と、大きな仕事に繋がりました。2020年の個展はユイのトップバッターであり、イラストレーターとして30年目を迎える年でもありました。いつも以上に気合いが入ります。テーマは「チューブ」と「多肉植物」の2つに絞っていましたが、やはり5年前に大きな動きを生んだチューブをもう一度描きたいという思いが強く、今回の「TUBE 2」に決まりました。作品のベースはYouTubeの動画。タヒチやオーストラリアの巨大な波のうねりの瞬間をスクリーンショットで押さえ、不鮮明な部分は、資料と想像力で描きおこしました。ペイント作品は8点制作しましたが、会期中「どれが一番お気に入り?」という質問を何度か受けましたが「全部!」と答えられるほどの自信作を列べることができました。来年のテーマは、また別のものになりますが、「TUBE3」も、またいつか必ず。

2015年個展「Tube」(スペース・ユイ)
https://www.tis-home.com/hiroyuki-yamada/works/8598

新村水産ポスター
https://www.tis-home.com/hiroyuki-yamada/works/8447

2016年1月 博多市大名 30m壁画制作
https://www.tis-home.com/hiroyuki-yamada/works/10500

2019年2月「wework」ゲイツ福岡店 壁画制作
https://www.tis-home.com/hiroyuki-yamada/works/14028
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/schedule/yamada_hiroyuki2020.html

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2020.01.11:土曜日

 

 

竹井千佳
 

 

作品は変わらずキュートですが、 今年のセツコさんは、更にスピードアップ且つシフトチェンジしていて、超越的な個性を身につけられていました!
常識の範囲を超えている!
突拍子も無い!
全てが漫然と薄まっている感覚の社会で、 大先輩、しかも女性である田村セツコさんに向けて、こんな言葉を捧げられることは、何て楽しいこと!と思います。
誰に対しても態度が変わらないセツコさん、きちんと理性的な視線を持ちながら大らかな心は惜しみなく全ての人に愛情を注がれます。
今年のテーマは「るんぺん姫」、限りない自由なこころの表現を目指されます。
現実の三次元の世界への好奇心と慈しみの心、その在り方はキュートな形而上学的存在!といった感じで、若い方々の敬愛も広がって行く、というものです。
注目の若手作家である竹井千佳さんといっしょのグループ展も今年で五回目となりました。田村セツコさん、竹井千佳さん、それに矢吹申彦さんの三人展です。メンバーの三人は何故この組み合わせになったのか、というご質問を本当に多くいただきます。
画風、キャリア、性別と全てが異なる三名の方のそれぞれの個性には、目に見える共通性は見つけられません。それでもずっと続いていて次回のお約束もできました。何故この三名の作家の展示なのか、今年もその謎?を追いかけて行こうと思います!
 

 

田村セツコ
 

 

矢吹申彦
 

 
http://old.spaceyui.com/schedule/3artistinwinter.html

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2019.12.27:金曜日

 

 

 

 
視覚を通じてワクワクどきどき楽しませてくれる作品なんて滅多にありません!
安座上真紀子さんの作品には、そんなパワーがあります。
搬入時、ひとつひとつの作品の箱を開梱する度に、溢れるように可愛らしさや素敵さが飛び出し空間を煌めかせ、個展開催前から期待観が膨らみます。
紙という素材を自由に使いこなし、私たちの身近にある物を模しながら作家の世界観を込めて創って行くという作業はご自身も楽しまれているのだろうな、という感じがひしひしと伝わります。そして見る側は更に楽しい思いが広がっていきます。
安座上さんの驚くべき才能は、作品を計測する事なしにフリーハンドで創られるという点にも現れていると思います。今回展示されたネックレスやタイプライター等の大きな作品は流石に輪郭のサイズは測ったという事ですが、細かい設計図等はないようです。
正確なサイズ感覚に見えても、何も計らずにフリーハンドで表現された作品は、正しい縮尺での再現という制作では得られない魅力があるのではないかと感じます。
安座上真紀子さんは、誰にも真似の出来ない独特な表現スタイルを創り上げられたと思いますが、これからも進み続けられる安座上さんの未来に連なる作品がこころから楽しみに思えてなりません。
安座上さんのコメントはお正月明けに届きますので、後日ご紹介させて頂きます。
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/schedule/makikoazakami_2019.html

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2019.12.17:火曜日

 

 

 

 
あだちさんの、日常的緩やかさが却って不条理感を感じさせるテイストの作品が、この混迷の時代に果たして共感を持って受け入れられるのか共、このような時代だからこそあだちさんの作品表現の必然性がある共、言えるのでしょうか。
そんな論議を巻き起こす作品は他にはない貴重な作品であり、あだちのりふみさんの作家としての背景や考えも気になるところです。

「ナンセンス」という言葉は、意味の無いという、どちらかと言えばネガティブなワードですが、私的な勝手な解釈として、

「作品 with ナンセンス」:
ひと味加わった無意味の妙味が、素晴らしく明るく深く、なべての森羅万象存在する対象物を意味の無いどころか意味の無さ故に采配された深さを味あわせてくれる作品へと昇華する場合もあると思うのです。意識と無意識との交差点かも知れません!

あだちさんの作品は、人々を確かに癒しへ導く力があると思います。
広告代理店のアートディレクターですから、優れたグラフィックデザインや色彩感覚の完成度が高いのは当然の事と思います。この上は、具現化された曰く言い難いナンセンス作品を見せて頂けたら最高に嬉しいです!
あだちさんご自身による解説をどうぞ!!

「にこまんが」は2コマの漫画です。
2つのコマのあいだには「間」があり、そこに、ニコッと微笑む「間」を作れたら と思ってます。 ですので、あまり理屈はありません、感覚で感じていただいたものが、その漫画の意味になります。

ただ、ちょっとだけ解説するならば、この「間」を表現するために考えた登場人物がいます。 まんがに登場するのは、「ねてるおきてる」シリーズのへんな生き物くん 、「えんばんうさぎ」シリーズのうさぎくん、「動物シリーズ」の動物達、そして 幾何学シリーズのマルサンカクシカク達。

「ねてるおきてる」のへんな生き物くんに、意味やキャラクター性はありません。漫画の技法には、まず最初にはキャラクターを考え、キャラクターの性格付けがストーリーの重要な核となります。

「にこまんが」では「間」を重視するためキャラクターの性格は極力抑えます。 なかでも「ねてるおきてる」は、外見は単純な線と顔で構成してます。誰でも描ける簡単な絵を心がけて、動きや変化も極力少なくして、2コマのあいだある、気分を目立たせるようにしています。幾何学シリーズも同様な考えで描いてます。

動物シリーズは動物自体にすでのキャラクター性があるので、「間」に、少し物語 性をつけています。

「えんばんうさぎ」は35年前に考えたキャラクターで、そもそもの雰囲気を2コマ で再構成してます。

以上のキャラクター的な登場人物を、漫画的手法(コマ割り)、デザイン的な画面構築(色と線)、そして広告的なコピーワーク(絵と言葉の掛け合い)で造ったも のが「にこまんが」となります。

制作意図(理屈)はこうですが、イラストレーションのような、まんがのような、ナンセンスやウイットなど、いろいろな「間」のあいだで、ふわふわしながらこれからも創作していきます。 (あだちのりふみ)
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/exhibition/adachinorifumi_2019.html

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2019.12.09:月曜日

 

 

 

 
はんまけいこさんの展覧会が近づくと、いつもはんまさんの大らかな笑顔が思い浮かびます。
東京と遠く離れ、むしろ台湾の方が近距離である沖縄小浜島から訪れるはんまけいこさんは、作品と一緒にご本人からも溢れるような明るい陽性なエネルギーが運ばれて来て、毎年大きな人気を博しています。
元々東京のご出身のはんまさんですが、ご結婚と同時にすでに長い期間、南の島に根付いた生活がfbなどで人気を得ていて、日本のいろいろな地方からファンの方々がお見えになりました。
今年のテーマは普段から小浜島で愛情を注ぎ、お世話を続けている山羊たちがテーマでした。山羊への愛情に充ちた作品展でしたが、タイトなテーマを更に大きな温かなものに変換され、その洗練されたクオリティーはほとんど完売に近い、という結果にも現れているようでした。
ずっとステキに進化されているはんまさんの作品は、軽やかで大人の苦みも加味されたファンタジーが心に響くのでしょうか。
驚くほど多くの方々が画廊に来て下さり、グッズやカレンダーもあっという間になくなってしまいました。
今回は、沖縄に帰った途端にインフルエンザで倒れてしまわれました。東京の雑踏で菌を拾ってしまわれたようです。
画廊スタッフも周辺の方も皆心配していましたが、快復に向っているご様子を伺い、ほっとしているところです。
そんな、はんまさんからのメッセージをご覧下さい。
  
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スペースユイでの個展を終えて 小浜島のヤギたちに早く会いたいと 元気いっぱいで島に降り立ちました。
ヤギのフータロウやアーちゃんに「ただいま」のあいさつをしたら ほっとしてしまい その晩から急に発熱!
翌朝 島の診療所にフラフラしながら行きましたところ「インフルエンザ 小浜島第一号ですね~」と告げられました。

4日目の今日は平熱に戻り 少し動けるようになりましたのでどうぞご安心ください。

島の暮らしの中で生き甲斐となっている 愛らしいヤギ達との交流の中で生まれた作品を今回の個展で発表させていただきました。
37点のヤギの作品のうち33点がお嫁入となり 感激です。 本当にありがとうございました。
心から感謝申し上げます。
  
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http://old.spaceyui.com/exhibition/hanma_keiko2019.html

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2019.12.03:火曜日

 

 

 

 
愛らしくおどけた表情の登場人物たちを丁寧なペインティング描写で表現した島袋さんの作品展が、4年ぶりに開催されました。
元ギャラリースタッフもして頂いていたイラストレーターの島袋千栄さんは、楽しく陽性な性格で人々への視線も優しくて、一緒にお仕事している時もとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
そんな島袋さんが描くキャラクターや動物たちの表情はキュートでお茶目で、可愛らしさがほとばしる様です。
可愛らしいものたちを、確かな技術の力で丁寧に描かれた作品は自ずと力を持ち、大人の心だけでなく、大人の中の幼心、そして子供たちの心を捉えるのも当然の事と思います。
シンプルなタッチやデフォルメされた表現等、現代には多くの個性を持った子供の為の絵本やヴィジュアルがありますが、登場人物も様々な情景の描写も、実は綿密に描き込まれたタイプのものが一番ダイレクトに強く子供心に入って行くのではないでしょうか。
今回は作者によってカベドールと名付けられた布地に描かれふっくらと立体的になった人形たちにそれぞれの舞台装置が施され、楽しく見応えのあるプレゼンテーションで展示されました。
島袋さんにもコメントを書いて頂きましたので、ご紹介いたします。
  
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4年振り、それも初めてのカベドールと言うオリジナル人形の個展で、かなり不安でしたが沢山の方に観に来て頂き、有難うございました。
終わってみて、反省点や今後の課題など色々なことが発見出来て、私にとってとても有意義な展覧会となりました。
次のカベドールを発表する際はもっと面白いものにしたいと、既に頭のなかで沸沸とアイデアが浮かんで来ております。
次回を楽しみにして頂けたら幸いです。
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/exhibition/shimabukuro_chie2019.html

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2019.11.20:水曜日

 

 

 

 
荻原美里さんの、当画廊では初めての個展が開催されました。大きめのダイレクトメールは開催以前からとても好評を得ており、荻原さんの個展を楽しみにされている方が大勢いらっしゃいました。全作品に流れる穏やかな気配の静謐な情景は、叙情性溢れる雰囲気ある作品でした。以下に荻原さんのコメントをご紹介させて頂きますね。
  

 
「SPACE YUI」2019年11月11日〜16日個展を終えて
 
2018年6月12日曇りガラスの重いドアを開けたときから始まった。
 
いろいろなことが重なって偶然かもしれないけど、ここで個展をすることになり、結果として素晴らしい魅力的な空間で作品を発表できたことに感謝してます。
 
改めて自分と向き合うことができたのかもしれません。
 
2018年秋に予定していた大きな個展が突然延期になり、私の作品を発表する場所が本当に突然無くなってしまった。どうしよう。どこかで発表したい。作品を描きたい。そんな想いからSPACE YUIのドアを開けました。大学生の頃、イラストレーターのアシスタントのアルバイトでよく通っていた青山。アンデルセンでクラムチャウダーをよく頼まれて買いに行っていたあの頃。どこか憧れがあり、純粋でまだ世間知らずの美大生の自分を思い出す場所でもあります。
 
そんな場所に約40年も前からあるSPACE YUIで個展ができたことは私にとって喜びでもあり、いい経験にもなりました。
 
私にとって個展は音楽に例えるとアルバムを作るようなモノです。作品を眺めていただき、何かを感じ大切なものを思い出してもらう。そんな個展にしたいと思いました。題材は様々で統一性はないかもしれません。お菓子も置いちゃったりしてますからね(笑)ただ余韻が感じられる風景やモノ。ユーカリの香り、アンビエントな音楽と共に心地の良い風、空気感。全体を通してご覧いただき、家に帰っても余韻が残る。そんな個展(アルバム)になったんではないでしょうか。お忙しいところ、足を運んで下さった皆様、会場を提供して下さったSPACE YUIの皆様、新しい出会いに感謝してます。ありがとうございました。
 
これからも森で鳥のさえずりを聞きながら、都会で変わり行く空を見上げながら様々な場所で暮らし、イエスと言ってもらえる作品制作をしていきます。
 
「魅力とは明瞭な質問をしなくてもイエスと言ってもらう方法である。」
You know what charm is: a way of getting the answer ‘yes’ without having asked any clear question.
 
Albert Camus
 
荻原美里
Misato Ogihara
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/exhibition/ogiwara_misato2019.html

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2019.11.16:土曜日

 

 

 

 
 古村耀子さんの個展「モード」は、そのタイトルの通りおしゃれな感覚溢れる展覧会でした。昨年に引き続いて、作品画面にはスタイリッシュなインテリアと素敵な大人の女性が登場、全体的な雰囲気が「モード」です!
 古村さん独自のメソッドによりデフォルメされ、個性豊かに表現された女性たちは、同じくグラフィックデザインのリズムが組み込まれたように格好良くインテリアデザインされた空間の中で素敵に誇り高く佇んでいると感じます。
 古村さんのイラストレーションは、とても若々しく瑞々しい感性を感じますが、実は熟練された理性的かつ構築的な作品です。
 そして既にデザインされたファニチュア等を、もう一度ご自身の作品画面上にアートディレクションし、静かな感情を醸成しながら創り上げて行かれるプロセスがとても楽しげに感じられるのです。
 壁や床等の画面を大きく色取るスペースエリアのマチエール、プロダクトデザインされたシャープな家具や照明器具と、大胆にかたちづくられた人物とで構成された古村さんだけの画風は、大きなインパクトで人の心に残り、潔い画面がこれからどのように展開されるのかと多くの方々が注目されています。
 

 

 

 
http://old.spaceyui.com/exhibition/komura_yoko2019.html

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2019.11.12:火曜日

 

 

 

 
注目のイラストレーター、門川洋子さんの個展「Secret Letters」に出品された作品の完成度はひじょうに高く、モチーフの選び方や組み合わせの意外性などにも楽しいアイデアが盛り込まれました。
門川さんの作品は、元よりたいへん描き込みの丁寧な技法でしたが、今年の個展の作品は更に視線がディープになり、繊細なデリケイトな描写が印象的でした。 中でも硬質な鋭さを持つ素材を柔らかなもので包み込む、といったコンストラクションを持つ画面の数点の作品は圧巻!という言葉が浮びます。
包み込まれる物は、刃物であったり工具であったりと金属質であるけれど少し優しい金属の感覚、テクスチュアは鉱物質に近いかも知れません。そのようなモチーフをふわふわな羽が包み、時にはリアルな質感を持ったレース糸で編まれた幅広の優雅なリボンが覆います。
そして鋭利な素材と柔らかな優しい素材とは、ひじょうに対照的な感覚をもたらし、その対比の感じは解答のないままに心に残りますが、ふと両者は遠大な時を経て同質なものに集約して行くのではないのかという思いがして参ります。
それは、門川さんが今回の作品を描く上で用いられた色鉛筆という画材が、その両者の対極的な質感の架け橋となって魔法をかけたのかも知れません。
リアルに描写された小さな機械や花や葉等のモチーフも、写実を超えて行くエネルギーと美しさがあり魅力的でした。
 

 

 
http://old.spaceyui.com/schedule/kadokawa-youko2019.html

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