皆でハラハラさせられながらも、高橋キンタローさんの個展が好評の内に無事終了する事ができました。
さり気ない独特なキンタローさんの画風は、基本的なしかも確実なデッサン力がなければ描けないと、その画力を皆が認めている所以のものです。
その上で天啓の様な閃きが重なると、観る側もご自身でも驚く程の作品ができあがるのではないでしょうか。
イラストレーション、現代美術、グラフィックデザインと、多岐にわたる美術界の全容を感覚的かつ論理的にしっかりと把握されているキンタローさんにとっては逆説的に、白いキャンバスに向うのはたいへん勇気が要る事なのかも知れません。
搬入時には作品が間に合わず、個展開催から数日後に初めて全作品が揃いました!後半にお出かけ頂いた方々には、全作品をご覧頂く事ができましたが、次回はぜひ前半にいらしたお客様にも全部の作品を見せて差し上げて下さい!
また、今回初めて女性のポートレイト作品が展示されましたが、キンタローさんの新しい側面が見え、たいへん人気を呼びました。人の顏を作品化するのは思いの他に難しいのではないでしょうか?言葉にはしずらいデリケイトな表現を見事に完成されていたと思います。
これからのキンタローさんの作品が増々楽しみです!
AAAAA
「白」の高橋春夫さんと、布を絵の具にして絵を描かれる「色」担当の沢野弓子さんの展覧会、そのタイトルも「白と色」!が開催されました。
沢野弓子さんの作品は、どんどん自由になって行き、しかもとても完成度の高い感性を伴って、私たちを驚かせて下さいます。
沢野さんの最初の個展は、オードドックスなトラディショナルな抽象画の作品展でした。
今回は、高橋春夫さんの白磁や粉引の陶器との2人展という事もあって生まれた新しいアイデアから、未だ名付けられていない感覚が引き出されたのかもしれません。
世界各地を巡り、収集して来られた布地は膨大な量になるといわれておりますが、それらの伝統ある布地が私たちの身の回りですぐに楽しめるものへと、再び新しい表情を見せて下さいます。
アフリカの染めらた布、スリランカの建築家ジェフリー・バワのプロデュースしたろうけつ染の布地、ヨーロッパ各地のそれぞれに物語のある布地等を用いた作品ですので、素材自体にもパワーがあって、拝見しているだけでイメージが膨らんで参ります。
高橋春夫さんの作品は、シンプルで魅力ある食器です。そういった感覚が一番難しいと思いますが、追求されていらっしゃいます。
高橋春夫さんの白い器からイメージして出来上がった沢野弓子さんのランチョンマットは、画廊の壁にも展示しましたが、その用途を越えて楽しい自由な作品としての新しい顔を覗かせて下さいました。
http://old.spaceyui.com/schedule/takahashiharuo_sawanoyumiko_19.html
AAAAA
越智香住
北見隆
谷口広樹
今年で二度目の招福がテーマの展覧会でした。今回は北見隆氏、谷口広樹氏に加えて、注目の彫塑の作家、越智香住さんにご参加を頂きました。
今年のテーマは、「こども」でした。数え六才までは神の子、という言われが日本の各地にあるそうです。
会場では、日本や東洋だけでなく西洋の天使たちが平面作品、立体作品と展示され、ピュアな神聖な空気感にあふれておりました。
北見さんの重厚かつキュートなペインティング作品、谷口さんの軽やかに描かれた完成度の高い幼児像、そして越智香住さんのアルカイックな赤ん坊のオブジェとのバランスがごく自然に溶け合っているように思われました。
AAAAA
本年も小池アミイゴさんの展示が好評のうちに終了しました。
様々なカテゴリーの人々のあわいを縫うように、情熱を持って疾走するアミイゴさんの存在からは目が離せません。
2012年の「東日本」をテーマにした展覧会以来、そんなアミイゴさんの活躍が実を結んで、羽田空港の電照掲示板での小山薫堂さん文章のイラストレーションや「暮しの手帖」、絵本と多方面の分野から注目されて大活躍中です。
また、東日本を中心として、西方にも視線を向けて、活動は広がって行きました。
遠大なテーマを越えて、優しさに充ちた眼差しを感じる花々や風景画を愛おしんで下さるギャラリーを訪れる方々の思いをひしひしと感じております。
天草での役所の100名の方々の名刺のイラストレーションを描くというお仕事ぶりも見事です。
多くの人々と接し、多岐にわたる分野の仕事を受け止めて、活躍の幅を大きく広げて行くアミイゴさんを本当に多くの方々が注目しておられるのではないかと思っております。
活動のさなかで、 人間関係を多く引き受け、大きく肯定的になって行くという過程は、実は並大抵な現象ではないと思っております。
そのような中で、プライオリティーを守りながら矛盾を生きて行かなければならない現実に直面する事もあるのではないでしょうか?
どんどん乗り越えられて、更にヴァージョンアップされて行くアミイゴさんをこれ迄も応援下さっていた沢山の方々が見守って下さっていると、感じております。
AAAAA矢吹申彦
「私の音楽」というテーマでの一年の締めくくりの三人展も、今年で四度目となりました。
謎のメンバー構成とも見え、皆様にもそう言われる展覧会ですが、はじめの頃に比して安定感をお示しできたように思っております。
作品の傾向も年齢も性別も全く異なる方々ですので、各作家ごとのお客様の流れも違っていたり、また共通していたりと、予測不能な事の多い展覧会です。
巨匠の域に在られる矢吹申彦氏、そして田村セツコ氏に対して、新人作家成長スピードNO.1の竹井千佳さんが加わり、不思議な磁場空間が醸成されてそれは年ごとに異なる味わいを以たらしているように感じております。
そしてギャラリーは安らぎと感動をお届けする場を目指しておりますが、三名の作家の方々の組み合わせの妙がエキサイティングとも言える不可思議なエネルギーも作り出していて、興味は尽きません。
矢吹申彦氏の写真の作品は、ポツポツと降っている雪の中に紳士達が浮かんでいて、画面下部の楽譜は紳士達が音符になっているという楽しい構成でした。矢吹さんがそっと「雪やこんこんですよ」と教えてくださいました。
竹井千佳さんの作品は全て比較的小さめな正方形の画面に描かれ、それぞれ楽曲に合わせた表現が楽しく、描かれた女性がこれまでの作品より素敵に大人っぽく強い表情になっていることが印象に残りました。
写真の等身大の人形は、田村セツコさんご自身のイメージと重なります。また現在話題のフレディ・マーキュリーをモデルに描いた作品も話題を呼びました。
来年度の三人展は、さらに私たちを遠くに運んでくれるかも知れません!
竹井千佳
田村セツコ
AAAAA
須川まきこさんのグーンとヴァージョンアップした作品展が開催されました!
最初に個展を開催されてからすでに10年の歳月が経ちますが、描写された画面上の女性たちは溌剌としたエネルギーに満ちあふれています。
ペンで描かれる繊細な衣服の素材やレース等のディテールは、須川まきこさんにしか描けない才能溢れるものですし、女性たちもエロティックなだけでなく、何かに立ち向かうかに見える強さを併せ持つ魅力的な表情を見せて下さいました。
須川さんご自身が天から舞い降りた様に、人間離れをした透明なピュアな感触で、まず私たちを驚かせて下さいます。
ご病気で片側の脚を失うというたいへんな経験をされましたが、神様から支払われる対価は須川さんの中に大きく素敵に育まれて行って、作品だけでなくご本人自身からの温かな不思議なエネルギーが人々に届けられるという、奇跡のような出来事が始まっているのを感じます。
髪の毛が舞う様子の「舞毛」= マイモウというタイトルも、人を楽しませてようとする要素もとてもあって須川さんらしくユニークで好評でした。
展覧会初日の夜には多くの方々が口々に「マイモー!」と笑顔で叫ばれたりしている様子、皆さんが本当に須川さんの作品に感応され、楽しくされている様子が新鮮な経験として記憶されました。
AAAAA
活躍中のグラフィックデザイナー、左合ひとみさんの個展 Rebonjour – The Planet Wishes for Peaceが開催されました。
今年、グラフィックデザイナーとして独立30周年をむかえられた左合ひとみさんによる、 現在起きているさまざまな地球を取り巻く環境に思いを馳せる展覧会でした。
今回の個展を開催するに当たり、作品の意義深いコンセプチュアルな方向性はもちろんの事、作品の展示方法や照明器具の設置等につきましてもトータルに考慮され実行される左合さんと接し、第一線に立つ素晴らしいプロフェッショナルなグラフィック デザイナー、アートディレクターとしての姿勢、立ち位置を感じさせられました。
今回展示された1月から10月までの10テーマに分けて表現された箱とポスター(ポス ターは9テーマ)は、左合さん独特のレーザーカットの技法により、3.11、9.11、原爆投下や海洋汚染、動物虐待等といった現在地球上におきている問題を、熟考された真っすぐな眼差しで表現されました。
我々人類にとって共通の重い課題をグラフィックデザイナーとして平面作品で端正に誠実に提示されたと感じております。
画廊では左合さんの作品を鑑賞し、共鳴する人々の声が聴こえ、同じ思いを抱いていても表現の場を持たない多くの人々の共感の思いが感じられました。
箱のデザインをほぼそのまま拡大したものがポスターとなりますが、両方の作品に印象的なカタカナで書かれた短い文章が添えられていて、言葉の持つ力がビジュアル表現をより理解しやすくコミュニケーションが取れやすいものにしたのではないかと思います。
今回の展示では、飯田有貴さんが様々な場面で左合さんをバックアップされ、全ての平面作品に素敵に精査され表現された文章も、お二人で創られたものだそうです。
左合ひとみさんからの文章を下記にご紹介させて頂きます。
↓
独立30周年を迎える今年の抱負は、20年ぶりとなる個展の開催でした。これまで磨いてきたこと、ふだんの仕事ではできなかったこと、新たにやってみたいことなどを考えながら、愛犬ココと散歩する日々が始まりました。
コンセプトが社会的な方向に動き出したのは、長年の親友である飯田有貴さんとの対話からです。3.11の東日本大震災のあと、無力感を感じながらも、JAGDAの委員会活動などを通して、復興へと向かう人々の姿に感動したことを思い出しました。
有貴さんとは創作のパートナーとして一緒に深く考え、話し合うようになり、3.11、9.11、8月の広島・長崎の原爆投下から始まったテーマは、日頃感じていた環境汚染や動物、子どもの問題などへと広がっていきました。
凄惨な場面を突きつけるのではなく、拳を振り上げるのでもない表現で、地球が望んでいることをかたちにしていく。再生してまためぐりあうことを意味する「Rebonjour」という言葉と「The Planet Wishes for Peace」が有貴さんから出てくると、ビジュアルのラフは大きく前へと進みました。
日常の仕事と並行しての創作活動はまさに時間との闘いであり、最後は睡眠を削りに削って搬入に漕ぎ着けましたが、その結果、これまでとは異なる地平に立てたような気がしています。ここで終わらせずに考え続けてみたいテーマになりました。
今回の展示をいちぱん見てほしかったのは、四年前の秋に他界した伴侶です。社会への問題意識がとても強い人だったので、地球の現実と向き合う創作を喜んでくれていることでしょう。「Rebonjour」と彼に向かって言える個展でこの年を締めくくることができて幸せです。
ご協力いただいたみなさま、ご高覧いただいたみなさまには、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
左合ひとみ
大胆で大らかな「いちじく」の作品が圧巻で、大人気の小渕ももさんの作品展でした。
本当に長いキャリアの小渕ももさんですが、小渕さんの作品の変わらぬ、時には向こう見ずにさえ通ずるプリミティブな感性に共感され、どんな時代にも多くのファンの方々がおられます。
色彩の柔らかさには定評があり、薄描きのペインティング作品の質感には人をリラックスさせる力があると思います。
また、ももさんの作品の持つポピュラリティーは、先にも書かせて頂きましたが抜き出た人気があって、フェイスブックでもいいねボタンが沢山付きました。
ヨーロッパやアジア圏の中のタイやベトナム等、海外での生活が長く、人生に保険を掛けない、人にはできない生き方をしているかに見えるももさんの、彼女にしかできない作品制作をずっと続けて頂きたいです。
AAAAA
「手島加江 SUMI色」、優しく静かな時間の流れる作品展でした。墨という画材をこんなに自由に素敵に使えたら、気持が良さそうです!そんな風に思わせる作品ばかりが会場に展示されました。
墨での表現は、その時のコンディションや勢い、また意識していない感覚にも左右されることが想像されます。
テクニックはもち論身につけなければならないと思いますが、手島さんの作品のようにシンプルな線だけの表現というのは、その人がそのまま出てしまうもののように感じました。
優しくさり気なく、しかも品位に充ちた作品が発する静かなエネルギーは、本当に多くの方々に染み通るように感じていただけたと思っております。
手島加江さんにしかできない墨での表現、逆に際立つ清潔な白い世界を感じさせる作品のこれからの飛躍をぜひ拝見したいです。
そんな加江さんから、ピュアな文章が届きました。ご紹介させていただきますね。
↓
最近になって、13年ぶりの個展だと気がついた。
好きな作家のSさんからも日程を決めないとできないだろうと、背中を押された。
そのSさんの花籠のモチーフのブローチを鏡台に飾り、制作は始まった。
実は、この13年は、子犬を室内で初めて飼い出した時と重なる。
散歩の時には、人好きな子のお陰で、近所の人と会話するようになり、ゆっくりと歩く子に合わせて、季節の花を見つける楽しみも増えた。
遊び好きな子と過ごす時は、笑いと微笑み、驚きをたくさんもらった。
一方で、筆が思うように進まない時は花籠ブローチを見て、気持ちを落ち着けた。
いよいよ開催の日も近づき、ほとんどの絵が揃ったときを見届けるかの様にして、うちの犬マールは旅立ってしまった。
かわいいマールと名ずけたバックを作ったので、また一緒に歩こう。
ありがとう、幸せな日々を・・・ (手島加江)
AAAAA
仁後真理子さんのインパクトある作品の展示が10年ぶりに開催されました。多くの方々から待たれていた展覧会でした。
動物が大好きな仁後さんの愛溢れる作品がたいへんな人気を呼び、平面作品の大作も立体作品も、道行く多くの人々さえギャラリーに誘うパワーを発揮致しました。
今回の展示では、発表するのは初めての、紙を用いた張り子で創った動物を制作して、観る人を驚嘆させ頬をゆるませ、また感動させて下さいました。
張り子作品は天井からてぐす糸や細いピアノ線で吊る、というかたちで展示されました。大胆な精神で以って繊細に表現された大きなクジラや象、そして小さな動物たちも、どんなに楽しい喜びの感情と笑顔で子供たちや大人に迎えられるか、すぐにイメージできてしまいます。
仁後さんの作品は、絵本の世界では初個展当初から注目され続けており、数々の魅力的な絵本が出版されておりますが、今後大人の世界の書籍の装幀や広告としても広がって行き、人々の心にスパイシーなキュートな刺激を与えて下さることと思っております。
http://old.spaceyui.com/schedule/mariko_nigo2018.html
AAAAA
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