2021.08.16:月曜日

 
 

 
 
宮本崇輝さんのガラス作品は、想像を超える美しい透明感があり、清潔感溢れる印象をもたらされます。
透明なガラス素材と共に、大地や海、また抽象的なイメージのマテリアルとを映し取った組み合わせが、とても見事に表現されオブジェや普段使いの器として、個展会場に展示されました。
爽やかな風が吹き抜けるように見る人を涼やかな気持ちに誘う、宮本さんの作品ですが、1200度という高温の炉の中で制作される吹きガラスの作品は、綿密な設計のための時間と大きな身体的エネルギーを費やして初めて形になるという、たいへんな作業です。
そのような努力や汗のあとを感じさせない数々の作品ですが、宮本さんとお客様が素材や製法についてお話しされているのを伺いますと、気持は宮本さんの作品制作に係るご苦労や努力に向かい、敬意を抱かずにはいられません。
先にも述べましたが、宮本さんの創る作品は身の回りにある普通のガラスの製品よりも透明度が高い感じが致します。
実際にそのように工夫し制作されていると伺いましたが、とても心打たれるクリアな感覚です。親しみやすいのですが侵し難い気品をともなって、宮本さんの作品の独特な個性を醸成していると思います。
年々、ファンのお客様、コレクションして下さる方々も増えて参りましたが、何故か趣味がとても私と合う方がいらして、去る6月の天野智也さんの備前の展示でも、昨年と今年の宮本さんのガラス作品でも全く同じ作品を買われました。
2019年にはピッチャーを買いましたが私もその方も割ってしまい、21年の今年、私たちは同じ(少し進化系の)ピッチャーを買いました!
美しいフォルムのピッチャーは、注ぎ口の部分が怖いくらい繊細でしたが使い易く重宝していましたので、割ってしまった時はたいへんショックを受けました。
丁寧に作られた小さな器やピッチャーは、実用的な基礎的な実力がすごく進化していて使いやすく、だからと言ってデザイン性は損なわれているどころか、更に綺麗な形になっています!
二代目のピッチャーも参加して、宮本さんのキラッと光るガラスの器は、日々の食卓やキッチンで、いつも楽しさを与えて下さいます。
また、今回は作品と実用的な器との中間をコンセプトに制作した「ドーム」がテーマ、果物やアクセサリー等、お部屋でディスプレー感覚を楽しめるというアイデアを提示しました。
既に、来年のテーマも楽しみです!
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/takakimiyamoto_2021.html

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2021.08.02:月曜日

 
 

 
 
山崎若菜さんのイラストレーション作品が放つエネルギーは、大きく個性的で、作家の脳内イマジネーションに追いつくのが大変です!
現実的なモチーフを用いながらも楽しさを誘うポップな色調は、視覚を通じて、人をエネルギーアップする力に満ちていると感じます。
明晰かつ大らかな山崎若菜さんにしか創造のできない作品世界です。
一方で、現実にはあり得ないポージングやシチュエーション、空間構成は、アミューズメント表現でありながら、悪夢的な感覚を孕み、決してシンプルなイマジネーションでは構成できないものと感じられます。
本年2021年の個展タイトルは「ドッキング」。若菜さんの先見性に導かれて、きっともう少しするとこの言葉の重要性がわかるのではないかと想像致します。
2019年の個展タイトルは「ZONE」、そして数年前に制作されたZINE「DYSTOPIA」、と時代の先を見通したかのような作品を、今振り返っております。
2021年現在の地上は、正にこれまでの現実ではあり得ないような未知の「ZONE」を我々は生かされていて、若菜さんの描くクリエイティブでポップな悪夢的遊空間は、現実的な人間世界を反映している様にも、凌駕している様にも感じられます。
文章や言葉で表す世界観を、全てヴィジュアルに置き換えて表現された若菜さんのイラストレーション作品は、より雄弁に、饒舌に、詩的に私たちに語り掛けて参ります。
そして今回の作品の中に感じられる、山崎若菜さん独特の楽しさの中の密かな静けさが、何かを以たらす希望の気配を運んでくれるのではないか、と願いが膨らみます。
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/wakana_yamazaki2021.html

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2021.07.26:月曜日

 
 

 
 
鹿児島在住の高岡栄司さんから個展開催のお申し出があった時、とても不思議な作品!という印象が強かったです。
どこかで見たような、そしてどこにも存在しないようなオリジナリティ溢れるメッセージ性豊な作品を創る方は、一体どのような方なのだろう?真っ直ぐで純粋でちょっと頑固な方なのだろうなと想像致しました。
東京では個展を開催したことはありませんが、金沢やロサンゼルスでの個展開催ではとても人気な様子をフェイスブックで拝見しました。
金沢での展覧会には21世紀美術館館長が訪れたり、金沢の作家さん仲間たちと談笑されている、とても雰囲気の良い投稿写真がたくさん掲載されています。ロサンゼルスでも高岡さんが好意を持って受け止められておられることが感じられます。
鹿児島に住われて、金沢の大学で彫刻を学び、ロサンゼルスでも作品を発表される等、都市空間との関わり方も高岡さん独特の、必然と偶然の不思議さを感じております。
高岡栄司さんの木彫作品は、独特の世界観で表され、見るものの想像を誘います。人々が日常で用いるスプーンやメガネ等のオブジェと共に、全ての作品に坊主頭の男の子の頭部が表現されています。
人形の顔に胡粉を刷かれた様にすべすべの質感の頭部は、多少の不気味さを孕み色々な感情が表現されています。怒りの表情、また白塗りの身体表現である舞踏の世界観を彷彿とさせるようにも思えますが、何だかキュートさも感じて参ります。
今回、東京での初個展でしたがコロナ禍という事もあり、高岡さんは搬入の後すぐに鹿児島に戻られ、金曜日と最終日の土曜日しか在廊できませんでしたが、作家の目の前で活躍中のアートディレクターの方に作品が売れたり、遠くから大学時代のお友達が見えたりと、とても好評でした。
全日程を在廊される事はできませんでしたが、ピュアな優しい人柄の高岡さんをもっと皆さんにご紹介したかったと、少し残念な思いです。
高岡さんに面白い文章を書いて頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
 
 ↓
 
  スーツケースをぶつけながら東京へ着き、道に迷いながら汗だくでギャラリーに到着。作品の設置を済ませると、また迷い、ぶつけながら鹿児島に帰った。展示が終わるころ同じことが繰り返され、今、鹿児島にいる。
学生の時も夏休みに入ると次の日には鹿児島に帰っていた。
「有料ですか?」と恐る恐るギャラリーに入ってこられる方がいた。いくつかの作品の前でじっと立ち止まり、足早にギャラリーを出て行かれた。「これいいね」とザっと作品を見た後、作品を購入してくださる方がいた。
10年ぶり、20年ぶりに会う友達が来てくれて作品についての感想をもらった。
  鹿児島の実家でコツコツと作品を作っている。展示の日時が決まると制作のペースが上がり、展示がないときはアルバイトをし材料費を稼ぐ。東京で個展をしたいなぁとギャラリーを探し始め、space yuiの木村さんの写真を見てメールを送ることに決めた。木村さんはどんな方だろう?「あの顔がきらい」、「芸大に落ちてよかったわね」、「すが」とおっしゃられていた。メジャーを片手に、頭に赤い玉の付いたピンを片手に、あっという間に作品の設置場所を割り振った。作品の価格もあっという間に決めた。励ましてもいただいた。 
 木村さんのような方がいなければ私は作品を発表できなかったかもしれない。ギャラリーで働く御二方も、少し戸惑った表情を見せながら(マスク越しですし、主観です)も丁寧な対応をしてくださり、ギャラリーの皆様に感謝しております。
見に来てくださった方々、いつも気にかけてくださる方々ありがとうございます。
  私は作品を作り続けるだろうと思っています。少しでも良い作品を見てみたいです。
   
高岡栄司
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/eiji_takaoka2021.html

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2021.07.24:土曜日

 
 

 
 
2021年夏の安西水丸展では、村上春樹氏との共著である「ランゲルハンス島の午後」をテーマとした作品を版画として制作致しました。
現在から遡って37年前の作品ですが、お二人の息の合った若々しいお仕事ぶりが感じられる、楽しく感動的な作品ばかりでした。
「ランゲルハンス島の午後」の原画は、時が経ち味わい深い感触がありましたが、版画を制作するための原稿ではありませんでしたので破損された部分も多く、版画に創り上げる事が果たして可能なのかと思うくらいでしたが、版画工房の感覚と技術により驚くほど美しく再現されたと思います。
水丸氏の初期の頃からシルクスクリーン制作をお願いしていた360°GRAPHICSは、海外の活躍中のアーティストのオファーも殺到する、現在では予約も困難な人気の工房です。
常に版画の新たな可能性を探りながら制作されている360°GRAPHICSに於いて創られた作品は、水丸氏の持ち味を限りなく生かすことに成功していると思います。
技術の進んだ現在では以前とは変わり、ジークレープリントの上からシルクスクリーンインクを刷って完成させるネオ・シルクスクリーンという技法を用いて版画を制作しております。
これからは、水丸氏の版画をお買い求め頂いた方への保証書には、画廊の箔押しスタンプと共に工房のスタンプも作品補償として箔押しさせて頂く予定でおります。
本年は、世田谷文学館、三軒茶屋キャロットタワー生活工房、山陽堂、と水丸氏の作品同時開催の展示が賑やかに重なりました。
世田谷文学館では、9月20日まで開催しておりますので、水丸氏の仕事の全貌をぜひご覧下さい。
また、安西水丸 版画展「ランゲルハンス島の午後」の開催にあたり、村上春樹さん、水丸氏のご家族、版画工房、そして常に変わらず応援下さる水丸ファンの方々に大きな感謝を致しております。本当にありがとうございます!
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/mizumaru_2021.html

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2021.07.16:金曜日

 
 

 
 
天野智也さんの今年の個展タイトルは「color」。
タイトルの通り、備前焼き陶器の多彩な側面を垣間見させて頂きました。
日にかざすとブルーに光って見える茶碗やいぶし銀のような渋い色彩の物、白っぽい物や赤土の感触をそのまま生かした器など々・・・。ギャラリースタッフもお客様と一緒に備前焼き陶器の「color」を存分に楽しませて頂きました。
もしかしたら当画廊の長寸方向のサイズより大きいかも知れないご自身で作られた天野さんの登窯は驚く程大きく、窯に火をかける時の置き場所によって、器の色や表面のテクスチュアに様々な変化がつくのだそうです。
釉薬を全く用いていないのにツヤツヤしていたり、また逆に岩肌のような仕上がりになるのも、作陶への絶え間ない探究心と経験失くしては得られない事ですね!
今回で14回目となる天野さんの個展でしたが、回を重ねる毎に評判を呼び、お客様が増えていきます。個人のお客様と一緒に、青山界隈の和食のお店の方々が多くいらっしゃるようになりました。とても気持ちの良い美味しそうなお店ばかりです。
一流といわれるお店ばかりの様にお見受けし、検索して、天野さんの器を拝見するととても嬉しい気持ちになります。
また、若いお客様がそっとひとつ買われて行かれるのも、良い感じです。
天野さんのお人柄を反映するかの様な、シンプルで力強くそして温かさの感じられる陶器はそうそうありません!
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/amanotomoya_2021.html

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2021.06.23:水曜日

 
 

 
 
2年ぶりの木村晴美さんの個展が大好評で開催され、無事終了致しました。
木村さんの作品の特徴である、透明感のあるインパクトの強い色彩を用いた作品表現、今年は、より繊細に、完成度高く、イマジネーション豊かに展開されました。
人間の集合無意識に触れるように思えるモチーフの形態をかたちづくる、木村さんの造形力にも改めて感じ入りました。
展示された力強い作品をご覧になられた方々は皆さん同じ思いだったと感じております。
色彩と造形の力が合わさった画面には、木村さん独特の密やかな内側に秘められたパワーが漲っていたように思えます。
今回も先回と同じく、ご覧になる方々の興味は尽きず、大変な人気でした。
そして、木村さんの「ヤツデの庭」という興味惹かれるな不思議なタイトルにまつわる幼少時の物語と、個展についての文章をお寄せ頂きましたので、ぜひご覧ください。
  

 
今回の展覧会では、幼い頃に祖母と過ごした思い出をもとに、
架空の「ヤツデの庭」というものを描きました。
ヤツデは、手のひらのような形をした大きな葉で、
ボンボリのような可愛らしい花を咲かせます。
 
「なぜヤツデなのか?」
 
私は幼い頃、両親が農作業で忙しい間、祖母の家にあずけられてい
たのですが、その庭先に、ヤツデの木が植えてありました。
ヤツデは縁起が良いとされ、人寄せの木とも言われているそうで、
曾祖父が娘夫婦を思って植えたそうです。
幼い頃、私が見ていたヤツデにはそういう理由があったのかと、
心がほっこりして、ヤツデをテーマにして絵を描きたくなったのです。
 
祖母と過ごした時間、空間、に思いを巡らせて、
「ヤツデの庭」に潜む生き物、ときおり姿を見せる神様 etc…
を描く。
 
祖母は 5年前に亡くなり、会うことは叶いませんが、
空から見ていてくれていたらといいなと思います。
 
最後に、ご多忙にもかかわらず足を運んでくださった皆さま、
素敵な空間を提供してくださったスペースユイの皆さま、どうもありがとうございました。
展覧会場でいただいた皆さまのお言葉を励みに、これからも制作をしていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
 
木村晴美
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/kimuraharumi_2021.html

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2021.06.19:土曜日

 
 

 
 
深谷良一さんの個展が終了いたしました。
深谷さんの作品、特に制作に於けるテクニックは、本当に尊敬すべきものがあると思います。
2020年7月に完成した東北電力による水力発電をテーマにした、ギャラリーのキューレーションを当画廊にて担当致しましたが、深谷さんにもお願いして、力作を描いて頂きました。
奥会津にある東北電力奥会津水力館の只見川ギャラリーへの展示作品は、「水源」、「川」、「発電施設」、「灯り」と、電気が私たちの生活の現場へと訪れる過程を4コマに分けて企画し、テーマごとに何名かの作家さんにお願いし、展示したものですが、深谷さんには「水源」と「発電施設」を描いて頂きました。
これまで、あまり発表の機会がありませんでしたので、この場を借りて力作をご紹介させて頂きたく思いました。
F80と大きなサイズの作品を2点描いて頂きましたが、皆さんに大変喜んで頂いております。
下に掲載の作品は、「発電施設」をテーマにしたものでタイトルは「冬の堰堤」です。
 
 

 
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/fukaya_2021.html

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2021.06.13:日曜日

 
 

 
 
門川洋子さんの個展、渾身の作品が並びました。
125cm四方の正方形の作品、小さなギャラリーでは目を引く大きさですが、画廊正面に展示するといつもより空間が広がって見えて来るのが不思議です。
時々fbで、作品制作の途中経過を垣間拝見しておりましたが、これ程の大作とは思っていませんでしたので、たいへん驚かされました。
門川さんの描写力には以前から定評がありましたが、今回の展示では更なるパワーが作品のひとつひとつに漲っている様でした。
今回の門川さんの作品は、洋服や洋装小物などのファッションアイテムがテーマ、白いバック地にファッションモチーフが描かれた表現方法は、思い切りの良さと、グラフィック的なセンスの良さが感じられました。
ギャラリー空間も考えられた作品構成のプレゼンテーションや、作品画面の美しい二次元構成が、三次元に繋がって、もう一つプラス、見えないけれど感じられるエネルギーを加味されて息づいていたように感じます。
ギャラリーを訪れた方々にそのような感慨をお持ち頂き、息を呑む感覚を味わって下さった事を感じ取れる素晴らしい展示でした。
精密に描写する事の技術能力は、それだけで驚きに満ちたものですが、そういった表現形態の中に現れる作者の個性も注目に値します。
細密な描写に必要な鋭敏且つ研ぎ澄まされた集中力と共に、画面には目には見えにくいけれど、門川さんの精神に宿る柔らかな温かな何かを感じ取られた様に思います。
そして、そんな風に差し出されたエネルギーは、確実に作品を見た方々に伝わったと感じております。
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/yokokadokawa_2021.html

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2021.06.05:土曜日

 
 

 
 
この度の、はんまけいこさんの展覧会「はんまけいこ 南の島のものがたり vol.3」は、現在のコロナ状況のため、沖縄小浜島からはいらっしゃることができず、ご本人が不在のまま開催されました。
離島に生活されるはんまさんが今回東京にいらっしゃる事は、東京の状況を鑑みた地元の方々の感覚からも不可能だったと容易に想像されます。
はんまさんご自身も、また人々の心を明るく導いて下さる力のあるはんまさんにお会いする事を楽しみにしていらしたファンの皆様も、本当に残念だったと思います。多くの方々からそのような言葉を聞きました。
そのような状況でもはんまさんの人気は変わらず、大人気の個展でした。
水彩絵具で描かれる自在なタッチは、ますます技術も磨かれて、楽しく見応えのある作品になっていると感じます。
ヤギさん達や動物達、人間達にも惜しみなく注がれる、太陽の光や緑の樹々のエネルギー。大自然の恵みを贅沢に浴びながら創作活動に励むはんまさんの生活は、人間のひとつの理想的な生活と思います。
そのような環境から生み出されるはんまさんの作品の数々、陽気で健康的しかも欧風に洗練された画風には、揺るぎない力がみなぎっていて観客の方々にエールを送ります。
人々にとり、失われてしまった「自然」という理想的な生活形態と「都会」社会のサイクルの中をずっと長い期間生きていらっしゃるはんまけいこさん。自然の人であるだけでなく、SNSなどを駆使して以前から都会に住む人々との連携はきっちりと取れています。
小浜島から送られて来るはんまさんからの、空や海や樹々の青さに触れ、その中で暮らす可愛らしいヤギを見、私たちはほっと癒されるひと時を感じることができるのです。
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/hanmakeiko_2021.html

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2021.05.28:金曜日

 
 

 
 
写真家百瀬恒彦氏のポートフォリオを拝見したときに、見慣れたはずのマザーテレサの肖像がありました。
そこには、見たことのない、言葉では表現できないこちらを見つめる眼差しがあり、
この時代にこそ、皆様に見て頂きたい百瀬恒彦さんの作品をと、展覧会を企画させて頂きました。
和紙に乳剤を添付して印画紙を作り暗室でプリントしたもの数点、越前和紙にインクジェットでプリントしたものとで20点ほどを展示致しました。
百瀬さんのメッセージの文章、ぜひご覧下さい!!
 

 
「特別な人」 マザー・テレサ                           
 
仕事柄、女性雑誌を中心に数えきれないほどたくさんの人のポートレートを撮ってきたけれど、そのなかでも僕にとっての「特別な人」がいる。マザー・テレサ。
僕がマザー・テレサと出会ったのは、彼女が亡くなる2年前の1995年2月、インドのコルカタ(カルカッタ)にあるマザーの教会「神の愛の宣教者教会」でだった。このときも雑誌の仕事で、事前に施設などの撮影許可は得ていたのだが、当日、マザーがその教会にいるとはかぎらず、しかも彼女は大の写真嫌いで有名だった。
けれどもその日、ミサにマザー・テレサがどこからともなく、影のようにふっとあらわれた。思ったより小柄な人だった。世界中から集まった人々がどよめくなか、一人ひとりに声をかけながら彼女が僕に近づいてくる。マザーの姿を間近で撮りたいと思った僕は思わず、目の前に来た彼女に「ミサのときの写真を撮らせてください!」と言っていた。一瞬、マザーの人の心を見抜くような鋭い視線に睨まれた。永遠にも思われた時間が経過したあと、マザーの口から出たのは「よいでしょう」という一言だった。
あとで聞くと、マザーがミサで祈る写真を撮ったフォトグラファーはほかにいないのではないかということだった。僕自身、あのときの緊張の一瞬一瞬を思い出すと、いまでも心が震えてくる。
 
 

 
 
http://old.spaceyui.com/schedule/momosetsunehiko_2021.html

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