2017.04.25:火曜日

 

 

 

毎年春の始まりの季節になると、民野宏之さんの個展が近づいたなと感じます。

民野さんはもうデビューしてから25年目を迎えましたが、25年間で2回を除き、毎年つまり23回開催して頂いております。

こうなると、もう親戚の人!という感覚です。ほぼ独学でここまで来られた民野さんの最初の個展の事を思い出しますと、感慨無量です。

民野さんの作品に囲まれると毎年感じる事ですが、 静かな澄み渡った空気が札幌の民野さんのアトリエからから運ばれて、 清涼な風の中にいるようです。

また、初めて伺い、驚いたのですが、民野さんはモーグルの選手で全国で10位だったそうです。民野さんがスノーボードハーフパイプや自転車競技では北海道ではトップの選手だったという事は知っていましたが、モーグルの事は知らなかったのでびっくりしました。コブコブの雪原を滑走する民野さんの姿が目に浮かびます!

民野さんの作品画面の気持の良い美しさと共に隠し味の様に感じる研ぎ澄まされた緊張感は、彼のそのような背景から来るものかも知れません。

民野さんから文章を頂きました。

少し訂正もあります。申し上げる迄もない事ですが、私はジャーナリストにはなれそうもありません!

「SPACE YUI」

今では「青山の実家」の様な存在で、毎年、春になると里帰りしています。

1992年から辛抱強く見守り続けて下さる木村さんに、「いつかご恩返しを・・・」と、思い続け、何も出来ないまま25年が経ってしまいました。

そんな僕ですが、昨年の夏頃、大きな変化がありました。

~もともと、音楽であれば音数が少なくて一音一音が心にしみるような曲。

映画だったら説明がほとんど無くてぼんやりとした輪郭と空気感だけが印象に残るような作品が好きなのに、

それに反して自分が描く絵は、ついつい細かいところにまでこだわり過ぎ、

それによって大切な何かが欠けていたのだということにやっと気付きました。

対象物の本質をより理解し、全体像を感じ取ることが大切なことなのだと。

それからは筆の運びが少しおおらかで自由になって来たように感じています。

それから・・・せっかく書いていただいたのに申し訳ございません・・・

モーグルは10位じゃなくて15位なんです。(^^ゞ

スケートボードのフリースタイルは北海道チャンピオンで、全国5位になったこともありますが、どちらも40年ほど前のことです。スノーボード・ハーフパイプに関しては趣味程度でトップクラスとは程遠いです。ですから・・・なんだか恥ずかしいです・・・

「サイクリングが大好き・・・」くらいにしていただけると嬉しいです。

http://old.spaceyui.com/schedule/tamino-hiroyuki.html

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2017.04.22:土曜日

 

 

 

 

 

甲斐荘暁子さんの作品展が大好評のうちに終了しました。

甲斐荘さんは、平面作品とともに鉄素材のオブジェを自由な感性で創られます。今回も新感覚の、空を飛ぶ天使や鳥などの鉄作品がたいへん魅力的でした。シンプルな厚みが特徴である鉄作品のこのスタイルも、とてもフレッシュな新しさを感じずにはいられませんでした。

また、大きな作品から小品まで、様々な表情が楽しい充実の平面作品も展示されました。 平面作品の、コラージュ素材がペインティングで軽やかに塗り込められ色彩の光が遊び戯れているいるかに見える画面は、まるで楽園のようなあでやかさです。

画面上では、そんな部分と部分が重なり、空の色の連なりのように繋がりながら、より大きな世界へと飛翔するかのようでした。

甲斐荘さんは、ご自分の作品についてもほとんど言葉で説明することはなさいませんが、持たれる多くの才能を視覚伝達表現を通されていると感じます。

作品を通して、彼女のこぼれるような瑞々しい感性のエッセンスを、受け取らずにはいられません。

そんな、寡黙で饒舌な、不思議な甲斐荘暁子さんから頂いたコメントです。

具体性を求めないで、ふわっと制作したいです。解らない事は、ひとまず括弧で閉じて。人との出会いもそんな感じで、ふんわりと。(甲斐荘暁子)

http://old.spaceyui.com/schedule/kainosho-akiko_17.html

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2017.04.11:火曜日

 

 

 

軽やかですっきりとした表現で、しかも見応えあるものに仕上げるというのは、存外にむずかしいことと思います。

高橋知江さんの今回の展覧会は、そんな難しさを見事にクリアーし、快い爽やかさを皆様にお届けできたのではないかと感じております。

高橋知江さんのセンシブルな線描表現とシルクスクリーン技法がとても良い相性を奏でて、オリジナリティ溢れる世界観を創られたと思います。

時代は増々ボーダーレスに、グラフィック、イラストレーション、アート感覚と、多くの情報を人に投げかけます。そして若々しい感性はそれらの情報を咀嚼、再構築して新たな視界を築いて行く様に思えます。

今回、高橋さんの軽快さの中に様々な思いが包含された作品の瑞々しい感性を、多くの方々に受け入れられたことをとても嬉しく感じました。

以下に、高橋さんのコメントをご紹介させて頂きます。

日々、つれづれと出てくる線画と、

きりっとしたシルクの手法を組み合わせて、

すっきりとした個展にしたいと思いました。

シルクに悪戦苦闘しながらも、

赤や青や黄色の美しさに励まされて、

なんとか展示をすることができました。

スペースユイのみなさま、見に来てくださったみなさま、

どうもありがとうございました。

(高橋知江)

http://old.spaceyui.com/schedule/takahashi-tomoe.html

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2017.04.03:月曜日

 

 

 

 

昨年、7年のブランクを破って個展を開催、その力量に皆を唸らせた星野哲朗さんでしたが、今年は更に洗練された作品を見せて下さいました。

星野哲朗さんは、主にヨーロッパの建築物、そしてワインのボトルやパン、オリーブ、チーズ等の食材を描いたら、誰にも真似のできない作風と世界観を構築しました。

作品モチーフの建物等は、リアルな様でいて平面的な構成であったり、次元が交差したりと、ひじょうに見応えある画面に描かれております。

星野さんの作品を前にすると、まるで南欧のどこかの街角でふと聴こえて来る音楽に耳を傾けながら佇んでいる様な気分に誘われます。

技術を磨きぬき思考し続けて、作品の様式を星野さん独自のスタイルに創りあげましたが、重厚とも言えるマチエールの中に軽やかな感性が加わって、より魅力ある作風になったのでは、と感じます。多くの若い方々の注意も魅き付けて、新しい広がりを予測させる風を感じました。

また、小さな時分から建物や乗り物を遠近法で描いていたり、機械の中身等を描くのも大好きだったという星野さんのお話を伺い、子供の頃の作品を拝見したい気持にかられました!

http://old.spaceyui.com/schedule/hoshino_17.html

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2017.03.22:水曜日

深谷さんのトラディショナルな技法、技術はほぼ完璧な域と言えるでしょう。

描写力が如何に完成されたものであっても、スーパーリアリズムを目指している作家ではなく、そのデフォルメのさじ加減、センスが相俟って深谷良一氏の力量を示していると思います。

昨年2016年から続いて、深谷氏には絵といっしょに木の箱も展示して頂いておりますが、毎年ほとんどの箱が売れてしまうという人気を博しております。

日本画の様に平面的な筆致を取り入れた日本の工芸を思わせる作品ですが、若い作家や顧客、またヨーロッパの方々等、和のテイストをモダンな感覚で取り入れたいという趣向で人気がある様に思えます。

リアルに見えながら目を凝らして見ると、実はシンプルなタッチに過ぎない描写には、限りない力を感じます。

以下に深谷さんからの文章をご紹介致します。

今回2回目の箱の絵を展示致しました。

檜材の箱には、看板文字と杉板絵の記憶を組み合わせ、全体を覆うように動植物柄を描き、墨文字は浮き彫りにしました。

失われた楽園が少々アカ抜けない花鳥画を装ってモダンを表現出来れば良いのだがと思っています。

http://old.spaceyui.com/schedule/fukaya_17.html

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2017.03.19:日曜日

 

 

 

 

広瀬弦さんの4年ぶりとなる個展が開催されました。

今回は、谷川俊太郎さん意訳のイソップ童話に、広瀬さんによる水彩画と、原画をジークレイ版画として制作した作品を展示致しました。

独自の描法、様式の感じられる広瀬さんの作品の持つ魅力を充分にお伝えできる展覧会であったと思っております。

広瀬弦さんの作品と共に谷川さんの手書きのテキストも版画にする、というユニークな試みもありました。

谷川さんに50音のひらがなを書いて頂き、ひとつひとつの文字をレイアウト、谷川さんの詩と広瀬さんの版画とを美しく配置した作品ができあがりました。

ご来廊の方々はじっくりと作品と詩を堪能していらして、鑑賞される時間がいつもより長かったように思います。

イソップという題材を作品として定着させ、提示するという作業は、容易ならざることと想像致します。人間の悲喜劇をコミカルに、時にはブラックに表現、しかも作品としての重量感を保持させていかなければなりません。

今回の「いそっぷ詩」展、谷川俊太郎さんと広瀬弦さんの表現力のタッグがあってこそ、だったと思います。

会場で流れていた、本の巻末に収蔵された谷川賢作氏による音楽も相まって、不思議な楽しい世界に包まれた展覧会でした。

http://old.spaceyui.com/schedule/hirose-gen_17.html

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2017.03.06:月曜日

 

 

 

 

原宿のアップルストアの向かいの小道を入った会場で、グループ展に出品されている方々の中のお一人が高橋春夫さんでした。

真夏の表参道で汗だくになって辿り着いた会場で、初めて高橋さんの白い器に遭遇致しましたが、何も考えずに参りましたためか、器の佇まいの美しさに暑さも忘れてしまいました。

すっきりとシンプルですが、自然と愛着が湧く、普段使いのできる白磁と粉引きの皿やカップ達とは、こんな風にして出会ったのでした!そして幸せな事に展覧会迄開催する事ができることとなりました。

高橋春夫さんは、最近何かとご縁のある出版社の風濤社オーナー高橋栄さんのお兄様で、弟の栄さんがそっと差し出されたグループ展のDMが今回の展覧会のきっかけになりました。

現代のインテリア空間にすっとおさまるデザインの器は、個人の方々にだけでなく、雑誌やTVなどのメディアに向けても使われるべく購入されて行きました。

すでにいくつか使っている白い器たちは、自宅テーブルの上でも、ジワジワとそのパワーを発揮しております!

高橋さんにもコメントをお寄せ頂きました。ご紹介させて頂きますね。

今回初めてギャラリーYUIさんで個展を開催させて頂きました。

確か、私が独立して間もない頃、YUIさんのお名前は存じ上げておりましたが、ご縁があり個展を開くことになるとは

思いもよりませんでした。

照明、什器がとてもセンスが良く、作品もより輝かせてくれました。

又、土地柄色々な業界の方が観てくださり、今後幅広く展開していくのではと期待しております。

美術、工芸の不振が続いておりますが、YUIさんのように積極的にアピールしてくださることに大変感謝しております。

来年はシンプル&使い勝手+少しの遊び心をを取り入れた作品を作りたいと考えてます。

ありがとうございました。(高橋春夫)

http://old.spaceyui.com/schedule/takahashi-haruo_17.html

 

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2017.02.25:土曜日

 

 

 

 

お話しも、マンガもイラストレーションも、脳細胞が高速スピン回転している山口マサルさんのスピードに着いていくのはたいへんです!

日常の一コマが全て作品のイメージに集約して楽しいまんが作品がたくさん出来上がりました。たった数ヶ月、それも仕事の合間に、ずいぶんたくさんのまんがを描いて下さいました。

山口さんが師と仰ぐクリヨウジ氏も来廊下さって、お二人の奏でる大らかな楽しい時間が流れました。

山口さんにコメントを書いて頂きましたが、普段のスピードの話し言葉そのままで、楽しい!!

yuiから陶器の展覧会を、と言われたのが1年前、と陶器だけだと壁が寂しいし、そこで考えたの がやってみたかったまんがだった。それもコマまんがで長くない奴、2ページにしょうと決まっ たのが夏も終わった10月頃。日々の面白いアイデアを少しずつメモってた。クリヨウジ氏の500点の漫画集にも触発された。まずクリ氏に10点を送って見てもらったら、褒めてもらったのが励み。100点200ページが目標。まだ65点。今回は45点を展示した。イラストレーションを生業にしてのお絵かきだから同じ人物をコマごとにに描くのが面倒臭い、漫画家って凄いなって思いつつ、慣れたら面白い。時間が入る簡単なストーリー展開が面白い。こうなったらしめたもの。やたらめったら描きまくる。見た人がニヤッとしてくれたら嬉しい。笑わなくても良いニャッが良い。そういうスタンス。1時間以上見ていってくれた人が何人も居たんで嬉しかった。ガーデンの初日にも2時間かけてじっくり見て居た初めてのお客がいたのが嬉しかった。さあ、まだ続きを描くぞ。出版社の人も見てくれたら嬉しい。

http://old.spaceyui.com/schedule/yamaguchi-masaru_17.html

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2017.02.19:日曜日

今年も高橋キンタローさんの企画によるグループ展が開催されました。当ギャラリーでの普段の視線からは見えないけれど、興味深い作家さんのチョイスが秀逸なキンタローさんのキューレーションに、とても感謝です!

point of view vol.1では、展覧会が終った後、ほとんどの出品者の皆さんに個展を開催して頂く、という嬉しい偶然がたくさん重なりました。

今回の point of view vol.2でも、point of view vol.1と同じく7名の方々に賑やかにギャラリーの壁を飾って頂きました。とても大胆な表現の方、細やかさが魅力的な方、それぞれの方の個性が光り、楽しい展覧会でした。

今回は、展覧会のDMをデザインして下さり、画廊空間をパワーアップして下さったヒロ杉山さんの作品展開催の可能性を模索しておりますが、実現しましたらたいへん嬉しく思います。

また、他の方々からも、お仕事の話や個展開催等の嬉しいお話が多くあった様子を伺いました。

★オープニングパーティーについて:

折からのインフルエンザ、ノロウィルス流行の影響で、知り合いのギャラリーがギャラリーのオープニングパーティーですのに食中毒を疑われて、営業停止に追い込まれそうになるという人ごとではない事件がありました。

私共も飲食のプロではないので、パーティーの時間内に全てを管理する自信がありませんが、オープニングパーティーで来て下さるお客様をおもてなししたい、という気持は開催する側と致しましては当然の事と存じております。

今回を機会に、当画廊でのオープニングパーティーについての希望を書類にまとめさせて頂き、パーティー開催をご予定される方々にお渡しすることに致しました。

画廊を訪れるお客様に、また開催して頂くアーティストの皆様に、ご迷惑をおかけしない様にと考えたものですので、ご理解を頂けましたら幸いでございます。

http://old.spaceyui.com/schedule/point-of-view-%E2%85%A1_17.html

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2017.02.16:木曜日

 

 

 

 

山田博之さんとお話ししていると、先生でいらっしゃる所為かとても合理的かつ論理的な方と感じますが、一方で、ヴィジュアル表現をする方にとって実は一番大切かも知れない、言葉では表せない不確かな何かや捉えがたい感覚を表現される力量を感じます。

確かな技術、磨かれた表現力と同時に、あたかも自動筆記の様に描かれる紋様や神話絵本などを拝見しますと、神秘的な表現の力を合わせ持った才能を感じるのです。

そんな山田さんが今回挑戦されたテーマは「HAIR」。単なる髪のスタイルを描いた訳ではありません。山田さんのイマジネーションが膨らんで作品の中の人々は、髪の毛と一緒に弾けたり爆発したりしています!ファンキーな楽しさが画面から伝わって、思わず楽しい気分に誘われます。

毎年、会場の空気をその会のテーマに染めて、エンターテイメントに観客を楽しませて下さる山田博之さんのパワーを改めて感じさせられました。

山田さんの文章です!

イラストレーションは職能で、書籍や広告物など、ひとつの仕事を完成させる技術です。でも、イラストレーターの描く絵は「大好き・楽しい・面白い」であるべきだと思っています。お絵描きが大好きで、この業界に飛び込んだはずなのに、いつしか描くことが辛くなっている。そんな状況は、悲しいですから。

今回のテーマも、そんな考えから生まれました。髪は自由自在。どんな色にも、どんな形にも。「髪って面白い!」

作品の形態は、色ベタ部分や人物画のアウトラインをインクジェットプリンタで出力し、そこに油性ボールペンでドローイングを施す方法。他にクレヨンのスクラッチ作品も制作しました。

ユイさんでの個展は、今回で4回目になりますが、毎回、新しいテーマで楽しく制作させていただいています。

来年は、どんなテーマに興味を持っているのか、自分自身も楽しみです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(山田博之)

http://old.spaceyui.com/schedule/yamada-hiroyuki_17.html

 

 

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