2017.01.26:木曜日

 

 

 

2017年の小池アミイゴさんの展覧会では、ペインティングのタッチもなめらかに、花々も、遠く臨む海や浜辺の状景も、より優し気に心情のこもった作品の数々が展示されました。

やんちゃな少年がそのまま大人になったようなアミイゴさんのことを知らずに作品を見られた方は、小さな花や風景作品のたおやかとも言える優しさと作者のイメージとが重ならず、少なからず当惑なさる様子でした。

2011年3月の震災直後からの作品創作やブログ、フィールドワーク等、小池アミイゴさんの活動の全体像を見て、彼の作品を紹介し人々に広めて行くのは、その時の自分の義務のように切実に感じた記憶が、昨日のことの様に思い出されます。

被災地への思いを作品の制作だけでなく実際の行動でも表すアミイゴさんの作品からは、被害に合われた方々への共感や亡くなられた方々への追悼の思いが、同じ国に住む者として自然と湧き上がるように思います。

2012、2014、2015年と東日本をテーマにした展覧会を開催させて頂きましたが、4度目となる2017年は、絵本「とうだい」(福音館書店より出版)という新たな視点も加わった展開の展覧会となりました。

人々との関わりや活動の中で培われて来たアミイゴさんの技術と感性には目を見張るものがあります。

そして作品を提示することにより、人々から更なるエネルギーを受け、より普遍性を帯びた作品へと進化を続けて行くことを確信しております。

アミイゴさんご本人の素敵なコメントを以下にご紹介致します。

yuiで4度目の開催となった展覧会「東日本」が終わりました。

展覧会明けの今朝、絡まった言葉をほぐすつもりで、代々木公園をユックリ走ってみると、冷たい空気の上に乗っかった東京の空は、朝日をやわらかくまとった灰色の雲に覆われ、そこに冬枯れの木々の枝が黒い筆致で複雑な模様を描いていました。光の変化で刻一刻と変わってゆく風景を愛しいと思い、センチメンタルな気分にも浸り、結局10kmほど走り続けた2017年1月19日の朝です。

そんな風景に心をを奪われるのは、yuiで出合ったお1人おひとりの言葉に触れたからです。

4度同じタイトルの展覧会を開催し、足を運んでくださる方からいただく言葉を、より確かなものと感じた今回。

昨晩家に帰ると「作品は観衆がそれを見に来て、自身の解釈を付与して初めて完成する。そして、その芸術作品は、そこに至るまでのグレーの領域を表現しているんだ」なんて言葉に出会いました。昨年亡くなったデビッド・ボウイが遺した言葉は、ボクが作ったyuiの空間を明快に言い表してくれたはずです。

yuiへの搬入から設営の後、作品の並んだ生まれたばかりの空間の中に立ち気がついたのは、「ボクは絵に向き合ってくれる人のことを思いっきり信頼して描いたんだ」ということ。

ボクはなにか描いたけれど、それを絵に育ててくれたのは、寒い中yuiまで足を運んで下さったお1人おひとり。そこからまた力をいただいたボクは、次の場所を目指し灰色の荒野を歩けるのだと思っています。

毎回展覧会の最終日には寂しさを感じたものですが、今回は「次」という気持ちが大きく勝ると共に、「ボクはまだなにも描けていない」という気持ちでもいます。

2011年3月11日の夜に「これは10年、20年とかかる事態だ」と直感したことは、今も明快にボクの中にあり、ただこれまでとは違い、心に多くの並走者を得たはずの4度目のyuiの時間。

あらためて、みなさん、寒い中足を運んでくださってありがとう。LOVEです。

毎回「アミイゴくん、お願いね」と呪文をかけてくる木村さん、ありがとう。

今回の展覧会に至る最初の部分で、画家のやまぐちめぐみさんの早逝に出会い、彼女の遺した作品を整理しタンバリンギャラリーで展覧会を開催するまでの仕事をしました。

彼女の生きた証は、ボクの制作のハードルを思いっきり上げるもので、なんつーか「負けてられねえ」って気持ちで今回に臨んだこと、最後に記しておきます。

ひとりで見ることの出来るものには限りがあります。

しかし、です。

小池アミイゴ

http://old.spaceyui.com/schedule/koike-amiigo_17.html スペースユイhp

http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=12832 小池アミイゴhp


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2017.01.22:日曜日

田村セツコ

矢吹申彦

竹井千佳

Winter Magic「冬の魔法」は、田村セツコさん、矢吹申彦さん、竹井千佳さんという、不思議な組み合わせの三名のアーティストによる魅力的な展覧会として、2015年より開催させて頂いている企画展です。

昨年2016年のクリスマスシーズンにも、 「Winter Magic 冬の魔法vol.2」 というタイトルで楽しい展覧会が開催されました。

飽くまでも端正な矢吹申彦さんの作品の、諧調の美しさともいうべき佇まいには感銘を受けずに居られません。その画風は、ペインティング作品としての思慮とグラフィック感覚のクールな軽やかさが拮抗して独特な静謐な世界観を創りあげていると思います。

しんしんと白い雪が降る情景が描かれた作品は、見る人々の心を静かに温かく包み、想像力を刺激します。

また、田村セツコさんと竹井千佳さんは、魅力的な少女たちを描く方で、ご本人達も偶然の出会いではありますが、ベテランと若手を代表する永遠の少女である様に感じます。

そんな田村セツコさんには、お会いする度に癒されておりますが、まるで出会う人々を笑顔にしてしまうDNAが組み込まれているかの様です。

竹井千佳さんも、そこに居るだけで周囲がぱっと華やぐ陽性なパワーに溢れた方で、作品といっしょに本人もたいへん見応えある方です。

新旧を代表する、少女を描かせたら当代のお二人と、端正なダンディズム溢れる矢吹申彦さんの三人の組み合わせは、偶然とは言い難いものがあるのかも知れません。

http://old.spaceyui.com/schedule/tamura-setsuko%E3%83%BByabuki-nobuhiko%E3%83%BBtakei-chika_16.html

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2017.01.05:木曜日

 

 

 

オカダミカさんの久しぶりの個展が好評のうちに終了しました。タイトルを「東京」に決めたと聞いた時に、皆に共通な「東京」をどんな切り口で表現するのかと、たいへん楽しみでした。

オカダミカさん、元来、温かさを周囲に振りまき、明晰で、ファッショナブルな存在感溢れる素敵な方ですが、作品は、ご本人の印象とひと味異なります。

様々な表現方法をひとつの画面に巧みに使い分けながら、バランスの取れた光の溢れる一枚の平面作品として仕上げている中で、登場する人物(主に女性)の視線が強く記憶に残ります。ノスタルジー、都会的なクールさ、無表情、そこはかとない諦観や哀感、といった感情を喚起する言葉が浮かびますが、そのどれでもない感じ、或はそれらを全て包含した感覚。

淡々と状景を描き分けている中で、目の部分だけは有機的に生きている命を持つけれど、マスクから覗いている視線の様にその心情は見えず、謎めいています。

名状し難いその感覚への答えは、ミカさんから送られた下記の文章にある様に思えます。それこそ皆に共通な存在の内奥へと繋がって行く、創造のバックボーンを感じました。

いろんなタイトルを思い浮かべる中

ふっと、残ってきたものが「東京」という言葉だった。

その時浮かんだものの中で一番大変そうで、一番どうなるか想像がつかなかったけれど

今の自分だから思いついた事な気がして、やってみたいなと思った。

今までは空間に人物をポンと置くことでその周りの空気感や温度や色

そんなものが画面に滲み出ればいいと思ってきたのだけれども

今回は背景に街を描く事で、同じ事を表現できたらいいなと思った。

背景を描いてはいるけど、私が描きたいのは風景でも街でもなく

自画像でもなく誰でもない

デジャヴのようなものなのかもしれない。

                                                                                                                                                                                                                      

ただそこに立っている、そしてその場所は実在している

それが自分にとってはとても大事な今回のルールのようなものだった。

一枚の絵にこんなにしっかりと背景を描く事は初めての事で

自分でもどこで筆を置くのかさっぱりわからず

不安ばかりの作業になってしまったけども

だからこそ、今までにはないものが見えてきたり感じられたりして

今思えば楽しい貴重な制作時間だったと思う。

そして何を描いても自分が描きたいものってなんか変わらないのだな…と再認識できた気がした。

スペースユイという空間や来て頂いた方々に

自分の今踏み出せる一歩に立ち会ってもらったような気持ちになっています。

感謝をこめて

オカダミカ/micca

http://old.spaceyui.com/schedule/okada_16.html

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2016.12.27:火曜日

 

 

 

信耕ヒロ子さんの藤素材のオブジェには、以前からずっと定評があり、その評判はどんどん々と膨らんでいるのです。
子供の頃手に取った経験のある、竹ひごを細くした感じの「藤素材」で編み上げていく方法は、オリジナリティー感覚に溢れていて、視覚的にもひじょうに楽しめる作品です。
楽しさを呼び起こす感性と共に驚かされるのは、信耕さんの驚異的な技術と描写力です。この素材を以って、微妙なデリケイトな人の表情を捉えることのできる方なのです!
また、信耕ヒロ子さんの人間的な突き抜けた個性も特筆すべきことと思います。あらゆることから解放されて自由に生きる信耕さんは、ポジティブにクリエイティブに、どんどん々と進化し続けていらして、未来の信耕さんにお会いするのが既に楽しみです!

 

信耕ヒロ子さんご自身の文章です!

今年になって、大好きなデヴィッド・ボウイやプリンスが亡くなりましたが、曲を聴いていると、なんだかあの世に行っても、華やかにしている様に思えます。

そんな気持ちから、あの世もこの世も「益々、華麗な奴」(マスカレード)とタイトルを決め、華やかな仮面舞踏会を演出しました。

もちろん、今、活躍しているガガやディカプリオ、ソフィアローレンも仮面舞踏会に参加です。

今回、文化人としてあの世のジョブスやゲバラと、この世のカストロを制作したつもりでしたが

奇しくも搬入のその日にカストロの訃報のニュースが流れました。

二人で葉巻を吸っている煙が雲になるというアクシデントもありました。

今までも、ラタンで似顔人形を作り続けていますが、顔がメインなため、上半身のみでしたが、今回はその人形達の持つイメージも表現したいと、全身を編んだことも楽しく新しい挑戦でした。

天気にも恵まれ、おしゃれな街にあるスペースユイでの個展は時間を忘れさせてくれます。(内緒⇨方向音痴の私も、表参道からなら間違えずに行かれる!と、成長ぶりに拍手です)

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/shinko-hiroko_16.html

 

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2016.12.08:木曜日

 

小渕ももさんの大らかなリンゴの絵から出ている気持の良いエネルギーは、視覚的なものでありながら身体的影響を覚えるくらいの爽快感がありました。

リンゴばかりを大胆に描いたプレゼンテーションも、ももさんらしいものでした。

イラストレーターとして活躍しておられた小渕さんですが、今、商業的な制約を離れ、翼がはえたかような自由な感性が、人々の心を打つのでしょうか。

 

MOMOさんの文章です。

 

 「個展で絵を発表することに関して」小渕もも

一年に一回、「個展」という形でオリジナル作品を発表しているが、5年位まえから、次の個展をどんな風にまとめようとか、テーマを設けるとか、ということはなくなって、今年はどんな個展になるのかな、と、自分で自分の作品を楽しみに待つ気分になっている。どんな絵ができるのか、だから直前まで、というか最初の一点絵が描けるまでは、わからない。

そして絵を描くとき、自分に課しているのは、「絵を描く」という原点で、ただ描く、ということ、もちろん、今さら無心、にはなれないとしても、「ただ描く」ということをしようとしている。

(小渕もも)

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/obuchi-momo_16.html

 

 

 

 

 

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2016.12.06:火曜日

 

ミヤギユカリさんは、昨年髙橋キンタローさんに企画して頂きスペースユイとユイガーデンで開催されたグループ展「point of view vol.1」の7名のメンバーの方のひとりです。

個展と致しましてはスペースユイでは初めてでしたが、たくさんの方にお越しいただき、ミヤギさんのパワーを再確認しました!

「point of view vol.1」のメンバーの方々の個展は、河井いづみさん、水沢そらさん、門川洋子さん、そしてミヤギユカリさんと、素晴らしい作家さんが続いていて、キンタローさんの慧眼に改めて感動致しております。

 

広い砂漠のような空間に、鮮やかな色彩、ユーモラスな形、のびのびとした楽しい生き物たち‥。

そんなミヤギさんの作風から、ネイティブアメリカンの砂漠の広がりがあるエッセンスが感じとられました。

ミヤギさんの目線から切り取られた、作品の対象になるモチーフが、三次元から二次元へとより自由になって羽ばたくのを感じます。

以下はミヤギさんの素敵な文章です。

 

今回テーマとした「Full of life」は今、この瞬間に生きている生き物たちに捧げる気持ちで描きました。

子供のころ飼っていた亀の甲羅の不思議さ、猫の瞳の透き通った輝き。今また道で出会う蝶、ベランダで光を浴びた植物の葉っぱ。など私の日常で心に残った断片を空想を交えて作品に紡ぎました。

展示を終え、まだまだ描きたい生き物たちが沢山いて地球は素晴らしい奇跡で満ちあふれていると感じています。

(ミヤギユカリ)

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/miyagi_16.html

 

 

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2016.11.26:土曜日

 

 

 

 

中島淳子さんの布を見る確かな視線が素晴らしいと思います。

着物や時代物の布についての素人である私たちは、専門的な眼差しで見ることができず、洋服や身の回りの現代の物を見る感覚で拝見してしまうのですが、中島さんのコレクションされる布は、そのような視線からも本当に魅力あふれるものばかりです。

中島さんの手によって箱の構造体が作られ、 収集された美しい日本の布を何種類も組み合わせながら箱の外側と内側をデザインされて行きます。

それは小さな建築物のようにも見えますし、テキスタイルデザイナーとプロダクトデザイナーのコラボレーションにも、ファブリックをグラフィックデザイン的にコラージュしたオブジェ作品とも感じられます。

歴史や物語を秘めた古い着物や布が醸成する雰囲気ある素材を用いて、優雅な抑制の効いた造形力により作成され、常に新たなチャレンジを感じる中島淳子さんの作品への興味は尽きません。

 

文章は苦手、とおっしゃる中島さんにお願いして下記の様にステキなコメントをお寄せ頂きました。

 

 

まず台紙を切ります。

台紙とは厚紙(いわゆるボール紙)のことです。

2mm程の厚みがあります。

小さな断裁機は持っていますが、ほとんどはカッターで原始的に切ります。

図画工作です。

イメージした形が出来るまで幾度となく推敲を重ねます。

一番大変な作業かもしれません。

 

 手に入れた古い着物を解きます。

全て手縫いですから比較的楽に解けますが、

一針一針縫った昔の人の事をふと思ったりします。

 

 日頃から気にいった着物(布)を無作為に集めておきます。

イメージが出来上がってから捜しても、見つかるものではありません。

偶然の出会いに身を任せます。

 

 手持ちの布の中から形に合うものを選んだり、

気に入った布を使いたくて新たに形を考えたりします。

布と箱が出会う時です。

 

 ではなぜ箱を作るのか?

明確な答えは出ません。

箱の中は「何も無い空間である」、故に「中心は無である」

というような事が気に入っているのかもしれません。

それに日常の中にごく普通にある容れ物として、

形はシンメトリーそのものですから

小さな佇まいの中に「安定」「安心」「平和」が感じられます。

 

 しかしながら安心している場合でもない様なので、

いずれアシメトリーな形に発展する予感もあります。

(中島淳子)

 

 

 

 

  

 

http://old.spaceyui.com/schedule/nakajhima-junko_16.html

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2016.11.21:月曜日

 

 

 

 

高橋キンタローさんは、イラストレーター、アートディレクターとしての活動に加え、音楽の分野でも海外コンサートの企画にも関わる等、多才な活動が大注目のかたです!

最近では、TV(Eテレやweb TV)、キューレーターとしての構成にも取り組まれております。

湯村輝彦さん主宰のフラミンゴスタジオで初めてお会いしてからの、キンタロー氏とのお付き合いは実に30数年になります。その頃から少しブランクがあり、永井宏さん等と活動されていた頃からまた、親しくさせて頂いております。

キンタローさんの存在をひとことで言い表す事はとてもむずかしく、そんなに簡単に明かしてくれはしません!自然体で人々を繋ぎ、若いアーティストをさり気なく導いて行く無私な感覚は、元気のない現在の商業美術の世界を根底から支えているように思えます。

スペースユイでもグループ展「point of view」の企画ではたいへんお世話になっています。普段の画廊の流れの中に新たな息吹を投入される素晴らしい企画です!!

昨年に続き今年もYUI GARDENからスタートし、来年1月末にはSPACE YUIでも「point of view Ⅱ」 が開催されます。

「point of view」に出品された方々と画廊とはすっかり仲良しになり河井いづみさん、水沢そらさん、門川洋子さん、ミヤギユカリさんの個展も開催、それぞれの方が素晴らしい作品を発表して下さいました。更に「point of view」の出品者の一人、谷口広樹さんも再来年2018年の1月に北見隆さんとの二人展を予定しております。

以上のように、キンタローさんの企画は本当に楽しい展開を見せて下さっていて、キンタローさんご自身の存在感の大きさにも目が離せないのです。

そして以下の様にキンタローさんご本人から、個展と企画展「point of view」についてのメッセージを(やっと)頂きましたので、ぜひご覧下さい!

 

 

 

 

高橋キンタロー/This Must Be the Place

 

日差しの記憶をたどります。遥かな過去ではなく今見たばかりの一瞬の記憶。古い船に乗って初めて海に出た少年の日のように。

――――

shadows on the grassのタイトルで10年、of the shape looksのタイトルで10年、展示を続けてきましたが今回はThis Must Be the Placeとタイトルを変えての展示、スペースユイでは3回目の個展となります。

This Must Be the Placeというのは「きっとここに違いない」というような意味。答えを見つけたということでもなくて、何気なく普段接しているもの、考えていることを確かめるような気持ち。

ずっと表現は変わりませんが、日常の中に見つける小さな変化やちょっとした出会いへのワクワクのような感覚をタイトルにしました。

 

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「point of view」

point of viewは最初、7 Artists Walkingとして独自の視点(point of view)を持って歩き続ける作家7人がすれ違う(錯綜する)一瞬を見てみたいと思ったのがきっかけです。

年齢もキャリアも活動も別々の作家たち。歩き始めたばかりの人もいれば大ベテランと言われる作家もいる。物語であったりファッションだったり、特異な視点、ふと気づくような何気ない視点、流されることのない独自な表現があります。脈絡もなく角度も方向性も違う作品が集まる(すれ違う)ことで、あらためて気づく魅力もあるんじゃないかな。参加作家だけではなく来場者の見方(point of view)も何かの始まりを生むかもしれません。

そしてユイガーデンをThis SIde、スペースユイをThat sideとして特徴の違う二つの場所で展開することで、作家自身もセンスや遊び心を発揮して楽しむ展示。誰にも視点(point of view)はあります、どなたにも参加いただきたい企画でもあります。

 

<point of view/2015>

足立もえか 門川洋子 河井いづみ 高橋キンタロー 谷口広樹 水沢そら ミヤギユカリ

<point of view II/2016>

植田まほ子 内田早苗 小林マキ スガミカ ヒロ杉山 高橋キンタロー マスダカルシ

 

高橋キンタロー

 

 

 

 

 

 http://old.spaceyui.com/schedule/takahashi-kintaro_16.html

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2016.11.15:火曜日

 

 

 

 

フジイカクホさんの作品を展示し、あらためて作品の前に立ちますと、ふっと温かな感慨に包まれました。何故か平和という言葉に似た「和平」という言葉が浮かんで来ました。

瞬間的に思ったのですが平和よりもポジティブな意味に感じられる「和平」という言葉に、作品の印象と共にフジイさんご自身の個性が重なりました。 

技術的に完成度の高いカワイラしい作品を創られるフジイさんの中にひそむ強いパワーが人々を魅了する「小さな世界」を形成するのでしょうか。

そしてその作品は人の心を解きほぐす力があるのだな、と思いました。 今後のご活躍が心から楽しみな作家さんです。

そんなフジイカクホさんからコメントを頂きました。

 

粘土を中心とした立体作品は、

イラストレーションとしてメディアに掲載される際は平面になってしまうため、実物の作品をご覧いただける場をつくろうと思い今回の展示を開催しました。

ただ、会期中に「こんなに小さいとは思わなかった」「写真ではわからないですね」という声をたくさんいただき、嬉しい反面、写真でしか伝えられない仕事の場でどうしていくか、今後ずっと向き合わなければならない課題になると思いました。

「わかりやすさ」や「瞬間的な強さ」が求められる時代なので、粘土であることをどう活かしていくのか、これから制作をしながら考えていきたいと思います。(フジイカクホ)

 

 

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/fujii-kakuho_16.html

 

 

 

 

 

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2016.11.05:土曜日

 

 

 

 

空の、地上の、自然の景色の表情は、空気に溶け入るようにひそやかだったり、真逆の色の鮮やかさで人を驚かせたりします。

卯月俊光さんは、山々や月や雲、そして自然界をシンプルに切り取って表現しておられます。画面構成は変わらなくても、ひとつひとつの作品は、惜しみなく豊かな表情を見せて下さいます。

画材や染料の特質を極めた卯月さんの作品世界、ますます自由自在な広がりを予感いたします。

卯月俊光さんの作品を前に、そのような事を感じておりましたら、ご本人からの素敵なコメントが届きました。

 

 

ここのところ、山の絵を描くことにはまっています。

特に富士山というわけではありませんが、単独峰です。

山は裾広がりの台形状で、不動の安定感を感じさせます。

まさに大地です。

また逆に見上げれば天高くどこまでも伸びて行くようです。

そんな山が太陽や、月と一緒になると無限の空間の拡がりを感じさせてくれます。

同じ山の形象、構図で表現していても、背景が変わる事で実にさまざまな光景になります。日本の四季の変化が創り出す美しい光景を想いつつ、創作を続けて行けたらと願っています。(卯月俊光)

 

 

 

 

http://old.spaceyui.com/schedule/utsuki_16.html

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